カロリー計算をする努力家のあなたがダイエットで失敗する2つの理由
「いわゆる”コロナ太り”でダイエットを開始。
摂取カロリーを減らすために、低カロリーや低脂肪と表記のある食品を選んだり、食品表示ラベルに記載されているカロリーとにらめっこしながら毎日カロリー計算をして頑張っていますが、正直大変すぎてもう挫折しそうです。
運動する習慣もなく、する気もない私でも、カロリー計算をせずに痩せられる方法があったら知りたいです。」
この要望に応えます。
本記事の内容
- カロリー計算をする理由
- カロリー計算をする努力家のあなたがダイエットで失敗する2つの理由
- そもそもカロリーという概念自体が論理的に破綻している
- 糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質はそれぞれ全く異なる代謝経路で代謝される
- まとめ:オススメのダイエット方法
コロナ禍で在宅ワークが増え、休日もあまり外出しなくなり家で過ごす時間が増えたため、消費カロリーが減っただけでなく、間食の習慣が身についてしまって摂取カロリーも増えてしまった・・・
という、いわゆる”コロナ太り”で悩んでいる人は多いようです。
中には冒頭で紹介した方のように、毎日毎食カロリー計算をするのが大変すぎて、いつも成果が出る前に挫折してしまう・・・
という方もいるのではないでしょうか。
「カロリー計算」しなくても痩せられるなら、カロリー計算なんかしたくないですよね?
結論から言ってしまうと、カロリー計算をする必要は全くありません。
なぜなら、”カロリー”という概念自体が論理的に破綻しているからです。
「え、どういうこと?」
と思われた方は、ぜひこのまま記事を読み続けてください。一読の価値はあると思います。
というわけで、この記事では、ダイエットで失敗しがちな人がおちいっているカロリーに関する2つの誤解を解くことで、あなたをカロリー計算の呪縛から解放することを目指します。
カロリー計算をする理由
カロリー計算ができる人は、恐らくこんな理由でカロリー計算をしていると思います。
- 「消費カロリー」>「摂取カロリー」= 痩せる
- 「消費するカロリー」の方が「摂取するカロリー」よりも多ければ痩せる。
- 「消費カロリー」を増やす方法として、運動(活動)量を増やし、「摂取カロリー」を減らす方法としてカロリー制限を行う。
一見、理にかなっていて、失敗する理由が見当たらないですよね。
でも、残念ながら、この論理でいくと確実に失敗します。
カロリー計算をする努力家のあなたがダイエットで失敗する2つの理由
- そもそもカロリーという概念自体が論理的に破綻している
- 糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質はそれぞれ全く異なる代謝経路で代謝される
これは一体どういうことなのか、順に見ていきましょう。
1. そもそもカロリーという概念自体が論理的に破綻している
「『好きだから別れたい』ってどういうこと!?もう意味わかんない、あの男!」
摂取カロリーの算出方法
「食物のカロリー」=「食物を空気中で燃やして発生した熱量」ー「同量の食物を食べて出た排泄物を燃やして発生した熱量」
これは1883年にルブネルという科学者が考案した測定方法ですが、現在も使われています。
これによって算出された数値が僕たちが「摂取した(する)カロリー」になるわけですが、この時点でカロリーという概念が”砂上の楼閣”であることがわかります。
カロリーという概念自体が破綻している2つの理由
- 人間の糞便の重量の半分以上は腸内細菌であり、食べた物に由来しない。
- 遺伝、体調、消化に必要な栄養素があるかないか、腸内フローラの構成などによって、食物の消化吸収率には大きな個人差がある。
注目していただきたいのは、上の計算式の「同量の食物を食べて出た排泄物を燃やして発生した熱量」の部分です。
排泄物の重量の半分以上が腸内細菌であり、食べた物に由来しない物が混じっているのであれば、少なくともこの測定法では「食べた物のカロリー」が正確に計算できないことがわかります。
また、上記のような様々な要因によって、摂取した食物の消化吸収率にも大きな個人差があるため、「摂取した(する)カロリー」として一般化した予想値のようなものを出す意味があるとは思えません。
個人差の具体例:草ばかり食べる牛が大きくなる理由
「食べ物の消化吸収率の個人差」の具体例として、牛をもって来るのは極端かもしれませんが、イメージはしやすいと思ったので。
草ばかり食べている牛が人間よりもはるかに大きく、強くなることを不思議に思ったことはありませんか?
牛が食べている草の固形部分の大半はセルロースと呼ばれる食物繊維で、牛はこのセルロースを消化することができません。(セルロースを自前の消化酵素で消化できる動物は虫を含めて一種類もいないそうです)
つまり、牛の摂取カロリーは、ほとんど0なのです。
それなのに、なぜ牛はあんなに大きくなるのか?
それを知る鍵は、牛の胃にあります。
- ミノ
- ハチノス
- センマイ
- ギアラ(赤センマイ)
は、牛が持つ4つの胃袋の名前です。
ミノからセンマイまでの3つの胃には、膨大な数の多種多様な微生物が住んでいて、この微生物たちによってセルロースは分解され、牛の体に必要なアミノ酸や脂肪酸、ビタミンなどが代謝されます。
そして、第4の胃であるギアラ(赤センマイ)において胃酸が分泌され、微生物によって代謝された栄養素と微生物自体も消化することで、牛は牛になるために十分な栄養を得ているのです。
これが摂取カロリー・ゼロの牛が、大きくなる仕組みです。
1日青汁1杯だけで20年生きている女性
「食べ物の消化吸収率の個人差」のもう1つの具体例は、森美智代さんという1人の女性に見ることができます。
なんと森美智代さんは、20年近く1日1杯の青汁とサプリメントだけで生きているらしいのです。
わざわざ摂取カロリーなんて計算しなくても、(常識で考えれば)十分なカロリーを摂取していないとわかりますよね。
彼女にこのような離れ業を可能にしているのも細菌です。
彼女の腸内には、牛の胃に見られるものと同じ種類の細菌が住んでいるらしく、腸内細菌が青汁のセルロースを分解して、彼女に必要なアミノ酸や脂肪酸、ビタミンなどの栄養素を代謝してくれているとのこと。
青汁1杯で得られるカロリー(ほぼゼロ)は、普通の人にとっては十分とは言えませんが、森美智代さんにとっては十分なのです。
「摂取カロリー」=「吸収カロリー」とはならないことの一例です。
ここまで極端ではなくても、食物の消化吸収率には大きな個人差があり、その一個人においても体調や栄養不足などの要因によって消化吸収率は日によって変わってしまうので、そもそも「摂取カロリー」を算出することに価値があるとは思えません。
2. 糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質はそれぞれ全く異なる代謝経路で代謝される
三大栄養素と呼ばれる糖質、タンパク質、脂質に限っても、それぞれ全く異なった代謝経路を介して代謝されるため、全部まとめて「この食品は何キロカロリーです」と表示することも全く理にかなっていません。
例えば、2000キロカロリーを
- 糖質だけで摂取した場合
- タンパク質だけで摂取した場合
- 脂質だけで摂取した場合
では、体はまったく違った反応を示します。
糖質の場合
- 消化酵素によってグルコースに分解される
- 血糖が増える
- 膵臓からインスリンが分泌される
- 血中のグルコースが細胞内に取り込まれATPが作られる
- 余ったグルコースはグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵される
- グルコースを材料に肝臓でコレステロールが作られる
- それでも余ったグルコースは中性脂肪として無限に蓄えられる
タンパク質の場合
- 消化酵素によってアミノ酸に分解される
- 小腸に吸収されたアミノ酸は血液で運ばれ必要とされる場所で必要な役割を果たす
- 筋肉、髪、爪、皮膚などを構成するタンパク質の材料となる
- 神経伝達物質やホルモンの材料になる
- 糖新生によってグルコースを合成する
脂質の場合
- 消化酵素によって脂肪酸とグリセロールに分解される。
- 筋肉などの細胞で脂肪酸やグリセロールからATPが作られる
- 肝臓でケトン体が作られる
- 細胞膜の材料になる
- ホルモンの材料になる
- 余分なグルコースがあれば中性脂肪になる
このように、ひとたび体の中に入れば全く違った運命をたどる糖質、タンパク質、脂質をカロリーという概念を使ってわざわざひとまとめにすることに意味なんてあるのでしょうか?
「太る」「痩せる」などダイエットについて語るのであれば、「どの栄養素を摂取したら体の中でどの代謝が進む」のかを理解し、摂取する栄養素を賢く選択することで、「中性脂肪の合成が止まり、分解が進む」代謝を活性化しさえすれば良いはずです。
まとめ
いかがでしたか?
このようにカロリーというものを正しく理解することで、カロリーという概念自体に全く価値がないことが見えてきます。
カロリー自体が無価値なのだから、カロリー計算に意味は無い。
きっと今のあなたは、今まであなたをダイエットの成功から遠ざけてきた「カロリー計算の呪縛」から抜け出すことができたと思います。
カロリー計算は、必要ない。
では、どうやって痩せればいいのか?
それを知りたい方は、僕の別記事
に詳しくまとめてあるので、ぜひ参考にしてみてください。
カロリー計算ができる真面目で努力家のあなたは、絶対にダイエットに成功できます。
参考書籍
※当ホームページに掲載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、運営者(Yujiro)は利用者が当ホームページの情報を用いて行う一切の行為について、何らの責任を負うものではありません。
「なんでやねん」という方はこちらをお読みください。