ZONEHACKERS' LAB Written by Yujiro

[DNB]デュアルNバック挑戦の記録[2022年12月]

脳トレ

僕が2021年12月9日から毎日30分挑戦しているデュアルNバック(DNB)という脳トレの2022年12月の記録をまとめてみた。

全期間のデュアルNバック挑戦の総括

期間: 2021年12月9日〜2022年12月31日(388日間)
連続挑戦日数: 388日
総挑戦回数: 10,843回
総挑戦時間: 194時間38分

使用アプリは自作のDNBアプリ『DNB Limitless』(2022年7月3日から使用開始)
このアプリの仕様については、こちらの記事をどうぞ。
[DNB]デュアルNバック挑戦の記録[2022年7月]

[DNB]デュアルNバック挑戦の記録[2022年12月]

[DNB]デュアルNバック挑戦の記録[2022年12月]

期間: 2022年12月1日〜12月31日(31日間)
使用アプリ: DNB Limitless(自作のDNBアプリ)
挑戦回数: 940回(-91)[30.32回/日]
挑戦時間: 15時間44分(+29分)
月間平均Nレベル: 15.22(+1.85)
1日あたり最高平均Nレベル: 18.08(+3.05)
最高Nレベル: N=19で正答率89%

※()の中は11月との比較

11月の記録記事の終わりに立てた12月の目標は下記の3つだった。

  1. 今まで通り毎日30分挑戦する
  2. 月間平均Nレベル14以上
  3. N=17で正答率90%以上 → N=18に初挑戦!

上記結果報告をご覧いただければわかるように、今回も3つすべての目標を達成した。
ただ、これはほとんど無意味な目標だった。

前回の記事でもフライングして報告した通り、11月の記録記事を書き終わらないうちにN=17で正答率90%以上を達成しただけでなく、同じ日にN=18で正答率90%以上を叩き出し、N=19に初挑戦するという異例の事態が起きた。

これまで同じ日にキャリアハイ(最高Nレベル)を2度も更新したことなど1度もなかった。

そして、この日に叩き出した「1日あたり平均Nレベル」は16.96
これは、11月30日に叩き出した15.03というそれまで最高だった「1日あたり平均Nレベル」を1.93も上回る完全な異常値。

そして、これは12月4日の出来事なので、「1日あたり最高平均Nレベル」をわずか4日で更新してしまったことにもなる。

僕がこれまで見つけた(つもりでいた)「DNBにおける成長のルール」を完全無視。
まったくのカオスだ。

※(僕が詳細なデータを取り始めたのはDNB Limitlessに移行した2022年7月からだから、完全なデータ不足の上の仮説にすぎないから仕方ない)

さらに12月20日には、その「1日あたり最高平均Nレベル(16.96)」を0.42上回る17.38まで出た。(初の平均17超え)
前日(19日)の挑戦をN=17で終えていたので20日はN=17から挑戦を開始したわけだけど、最後の最後にN=16に「落ちる」までN=17以上を維持し続け、結局、N=15にさえ「落ちる」ことなくこの日の挑戦を終えた。

しかし、快進撃はまだ終わらない。

12月29日には1日あたり平均Nレベル18.08を叩き出し、初の平均18超えを達成。
これは12月4日に叩き出した16.96を1.12、
11月30日に叩き出した15.03を3.05上回る数値だ。

つまり、わずか1ヶ月足らずで1日あたり最高平均Nレベルが3.05も向上したことになる。

この日も(20日同様)N=17から挑戦を開始できたのは幸運だったけど、N=19に8回も挑戦できたことは過去一度も無いので、「運だけで達成した快挙」ってわけじゃない。

最終的に12月31日の挑戦を終えて算出した12月の月間平均Nレベルは15.22
11月の月間平均が13.37だったので、わずか1ヶ月で月間平均Nレベルが1.85も向上したことになる。

「月間平均Nレベルは2ヶ月で1.00向上する」という仮説のもと当初立てた予想では、月間平均Nレベルが15に達するのは2023年の3月だったので、これは当初の予想を3ヶ月も先取りする数値だ。

  • 2022年9月・・・12.0
  • 10月・・・・・・12.5
  • 11月・・・・・・13.0
  • 12月・・・・・・13.5(現在)
  • 2023年1月・・・14.0
  • 2月・・・・・・・14.5
  • 3月・・・・・・・15.0
  • 4月・・・・・・・15.5
  • 5月・・・・・・・16.0
  • 6月・・・・・・・16.5
  • 7月・・・・・・・17.0
  • 8月・・・・・・・17.5
  • 9月・・・・・・・18.0
  • 10月・・・・・・18.5
  • 11月・・・・・・19.0
  • 12月・・・・・・19.5
  • 2024年1月・・・20.0(一次試験)
  • 2月・・・・・・・20.5(二次試験)
  • 3月・・・・・・・21.0
  • 4月・・・・・・・21.5(入学)

※2022年9月の記録記事で使用したものをコピペ

DNB Limitlessを使い始めて6ヶ月。
当然、これほどの成長率を記録したことは1度もない。

これは一体どういうことか?

結論から言ってしまえば、

  1. 神経回路のアップグレードは2ヶ月に1度完了する
  2. これによって月間平均Nレベルが2ヶ月で約1.0上がる

というこれまでのデータに基づいて僕が(自信満々に)導き出した「DNBにおける成長のルール」「まったくの的外れ!!」だった、ということになる。

実際の成長速度は(嬉しいことに)もっと速い。

そもそも「神経回路がアップグレードされる」とはどういうことか?
それをしっかりイメージできていなかったことが僕の最大の誤算につながった。

神経回路のアップグレードとは、その神経回路における情報伝達能力(速度、効率、エネルギー効率など)が向上すること。
そしてその向上は、下記のような細胞・分子レベルの変化によってもたらされる。

  • 繋がるニューロンの数の増加
  • 個々のニューロンが放出する神経伝達物質の量の増加
  • 神経伝達物質を内包する小胞体の巨大化や数の増加
  • シナプスの巨大化
  • シナプスにある神経伝達物質の受容体の数の増加
  • シナプス強度・感受性の向上
  • 軸索に巻きつくミエリンの数・層の厚さ・長さの増加
  • グリア細胞の増加(および活性化?)

このような様々な要素によって「神経回路のアップグレード」が成されることがわかったわけだけど、果たして「これら全ての要素がまったく同じタイミングで完了する」なんてことがありえるだろうか?

これら個々の要素を太陽系に存在する1つの「惑星」と考えるとイメージしやすいかもしれない。
これらの「惑星(要素)」は、個別の周期で動いていると仮定する。

「惑星(要素)」がある地点に到達した時を「その要素のアップグレードの完了」とするなら、それぞれの要素はまったく異なる周期(タイミング)でアップグレードされることになる。

とすれば、上記の要素のアップグレードが全て同じタイミングで完了する確率は、惑星直列(太陽系内の全ての惑星が太陽に向かって一直線に並ぶこと)が起こる確率と同じくらい低いかもしれない。

ただ、このうち2つか3つの要素のアップグレードがほとんど同じタイミングで完了する確率は、そこまで低くはないだろう。

だから、DNBの挑戦において僕がこれまで観測してきたNレベルの向上は、「これらの要素がそれぞれのタイミングでアップグレードされた結果」であることは間違いないと思うんだけど、そうであるなら「1日あたり平均Nレベル」は徐々に上がっていくべきで、そうするとこれまで「神経回路のアップグレードが完了した日」として取り上げてきたような「1日あたり平均Nレベル」が一夜にして急にドカンと上がる現象と矛盾するような気もする。

それともこの「ドカン」が
①たった1つの要素のアップグレードが完了したサインなのだろうか?
もしくは、
②たまたま2つか3つくらいの要素のアップグレードが同じタイミングで完了したということなのだろうか?
はたまた、
③これらの要素のうち非常に大きな影響力を持つ要素が1つか2つ存在するということなのだろうか?

もちろん、基礎知識やデータが圧倒的に不足している現状では結論なんて導き出せない。
知識不足はやろうと思えば今すぐにでも補えるけど、受験勉強と並行して行うとなるとさすがにちょっと厳しい。
(でも、この分析に割く時間はとても大事だからこれからも続けるつもりだ)

それでも仮説を立てるのなら、「3つ全て正しい、けど③が最も有力」というのが僕の直感だ。

1985年、神経解剖学者のマリアン・ダイアモンドがアインシュタインの左頭頂葉について調べ、ニューロンの数は平均的だったものの、ミエリンを形成・維持するグリア細胞の数が通常のヒトの脳に比べて著しく多いことを発見した。

当時は無意味だと考えられ、笑い話にもされたが、これで天才脳の秘密が明らかになった。
『天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる』P.94より引用)

アインシュタインの天才性がニューロンの数ではなく、ミエリンを形成・維持するオリゴデンドログリア細胞の数によって定義されるのであれば、「神経回路のアップグレード」に最も大きく貢献している要素もミエリンなのではないか、というわけだ。

つまり、

  • 1つ1つの要素のアップグレードも数値(Nレベルの向上)として観察できるレベルの変化だけど、ミエリンの形成が完了したときに最も大きな数値(Nレベル)の上昇が観察できる・・・

というのが今の僕の考えになる。

作業記憶を構成する複数のニューロンのミエリン化が同時に完了するなんてこともありえるだろうし、すでに軸索に巻き付いていた2つのミエリンが繋がって1つになるなんてこともありえるかもしれない。

いずれにせよ、神経(ニューロン)の無いところにミエリンは形成されないわけだから、上記全ての要素の中で最も遅れて起こる変化が「ニューロンのミエリン化」であることは間違いないんじゃないかな。

それとも、「ミエリン付きのニューロンが生まれる」なんてこともあるんだろうか?
どうやらあるらしい。

海馬は神経幹細胞にも富んでいて、これが新たなニューロンを誕生させる。
新しいニューロンを作るために、神経幹細胞は2つに分裂する。

この分裂から、2個の新しい幹細胞か、のちに別の種の細胞に分化する2個の初期前駆細胞か、またはこれらが各1個生じる。
幹細胞が分裂してもう1個の幹細胞を生み出すと、新しい幹細胞はさらに分裂と生成をつづけ、もっと多くの幹細胞を作ることができる。

幹細胞が分裂して初期前駆細胞を生じる場合には、この新しい細胞はそこで特化した細胞ーオリゴデンドログリアのような特別な仕事をもつ細胞ーになる。
オリゴデンドログリアは、ミエリンの生成と保持を担っているから、これはつまり、神経発生の比率はミエリンの保全に直接影響しているということだ。

言い換えると、新たなニューロンを作れば、それだけで何もしなくても貴重な神経系の絶縁体が増えるのだ。
これは無償のアップグレードだ!

『HEAD STRONG シリコンバレー式 頭が良くなる全技術』P.94〜95)

「神経可塑性」という言葉から、変化するのは神経細胞(ニューロン)だけだと思いがちだけど、実際にはアストログリアやオリゴデンドログリアのようなグリア細胞(神経細胞よりも多い!)も増えたり減ったりするということだ。
(「脳の可塑性」ではなくあえて「神経可塑性」という言葉を使う場合は、神経細胞のみの可塑性について言及しているのかもしれないけど、一般人向けにはそういう使い分けは不要と考えているのかもしれない)

また、同じページに

新しい脳細胞が成熟して回路網に組み入れられるまでに、4〜6週間はかかる。

という記述もあるから、これも仮説を立てるための貴重な材料になりそうだ。

おそらく、神経細胞と同じように、新しく生まれたグリア細胞も「生きる意味」が与えられなければそのまま死んでしまう。
でも、DNBによって「作業記憶に関わる神経回路の最適化」という使命(生きる意味)を与えることができるなら、グリア細胞も神経細胞と同じように際限なく増やすことができるかもしれない。

「眠気」は神経回路のアップグレードの前兆?

「眠気」は神経回路のアップグレードの前兆?
12月は「神経回路のアップグレード」3回起こった。
4日20日29日だ。

僕はそれ以前とは比較にならないほど高い「1日あたり平均Nレベル」が出た日を「神経回路のアップグレード」が完了した日としている。
実際にこれまでのデータから、この日を境に「1日あたり平均Nレベル」が顕著に高くなることがわかっている。

  • 4日の16.96(初の平均16超え)
  • 20日の17.38(初の平均17超え)
  • 29日の18.08(初の平均18超え)

このうち4日と29日の神経回路のアップグレードには、ある「前兆」があった。
それが「眠気」だ。

何度仮眠をとっても、朝から晩まで終日「眠気」がつきまとう異常事態。
オーラリングの睡眠スコアもおおむね平均以上で問題ないように思える。
にも関わらず、この「異常な眠気」に3日連続で襲われたのだ。

つまり、12月1日、2日、3日の3日間と、
26日、27日、28日の3日間。

それはこれらの日の僕のツイートからも読み取れる。
(オーラリングの睡眠スコアがどうであれ、実際の「目覚めの良好さ」と「日中の思考の明晰さ」が最も正確・重要な睡眠のフィードバックだと考えていて、それに不満があれば文字数が制限されるツイートではただ「睡眠失敗」と記すことにしている。)

4日に神経回路のアップグレードが起こった時点で、この「異常な眠気」との因果関係の可能性に気づいていたので、26日から28日まで続いた「異常な眠気」によって、29日の神経回路のアップグレードはほとんど「予知」することができた。

ただ、20日に関しては、それほど顕著な前兆は確認できなかった。
19日から20日にかけての睡眠は実質4時間40分と明らかに失敗していて、仮眠をとっても眠気が消えなかったことを報告しているけど、その夜のDNBでは初の平均17超えを叩き出している。

そもそもこの日は、なぜか最後の最後まで自分がハイスコアを出していることに気づかなかった。

このように、「異常な眠気」「神経回路のアップグレード」の因果関係はまだ不明だ。
でも、もし今後も「異常な眠気」に襲われることになったら、「神経回路のアップグレードの前兆」かも?
と、注視することはできるから、この因果関係が(少なくとも僕にとって)証明される日は遠くないかもしれない。

いずれにせよ、Nレベルの成長率を予想するにはまだまだデータが足りない。
というわけで、しばらくは「データ収集(観察)」に徹することになりそうだ。

12月までの実際の平均Nレベルと1月の予想

期間 期間平均 1ヶ月の平均
7月3日〜17日(15日間) 10.89
7月17〜31日(15日間) 11.01(+0.12) 10.92
8月1〜16日(16日間) 11.05(+0.04)
8月16〜31日(16日間) 11.85(+0.8) 11.45(+0.53)
9月1〜15日(15日間) 11.92(+0.07)
9月16〜30日(15日間) 12.05(+0.13) 11.99(+0.54)
10月1〜16日(16日間) 11.60(-0.39)
10月16〜31日(16日間) 13.04(+1.44) 12.37(+0.38)
11月1〜15日(15日間) 13.23(+0.19)
11月16〜30日(15日間) 13.52(+0.29) 13.37(+1.00)
12月1〜16日(16日間) 14.87(+1.35)
12月16〜31日(16日間) 15.57(+0.70) 15.22(+1.85)
[予想]1月1〜31日(31日間) 16.22 16.22(+1.00)

ワーキングメモリ(作業記憶)は「唯一無二の最強スキル」

ワーキングメモリ(作業記憶)は「唯一無二の最強スキル」
メンタリストDaiGoさん(僕と同い年!若い!!)いわく、
「ワーキングメモリ(作業記憶)は、あらゆるものに学習転移が起こりうる唯一無二の最強スキル」

例えば、「英語を習得した人は短時間でドイツ語やフランス語など別の言語を習得できる」っていうのが学習転移。
このように「言語から別の言語」みたいな近い(似た)スキルの学習転移は起こりやすいけど、「チェスから言語」みたいに「遠い(似てない)スキルの学習転移はほとんど起こらない」

でも、たった1つだけ、この「遠い転移」が起こりうるスキルが存在する。
それが、ワーキングメモリ(作業記憶)

と、上の動画でDaiGoさんが解説してくれている。

ワーキングメモリ(作業記憶)を「スキル」と表現することに違和感を覚える人もいるかもしれないけど、スキルの本質は「正確な反復練習によって洗練・最適化された神経回路」だから、反復練習によって鍛えることができるワーキングメモリは脳の機能であると同時にスキルでもあるというわけだ。

つまり、ワーキングメモリ(作業記憶)は、全スキル中のキング・オブ・キング
「唯一無二の最強スキル」ということになる。

確かに「学習能力そのもの」以上のスキルが存在するとは思えない。

どんなスキルでも1つだけ身につけられるとしたら、誰だって「どんなことでも最速で学習する力(=学習能力)」を選ぶでしょ?『LIMITLESS 超加速学習』

僕はコレを知らずにワーキングメモリ(作業記憶)を鍛えるDNBを習慣化したわけだけど、この動画を観て当然のごとくモチベーションは爆上がり。
「やっぱり僕が選んだ道は間違いじゃない!」と確信を強めることができた。
(DaiGoさん、ありがとう!)

そんなこんなで、DNBに挑戦し続ける限り際限なく脳力が向上していくと確信して、レベル上限なしのDNBアプリを作って、DNBを死ぬまで(できたらこのまま毎日30分、1日も欠かさず)続けることを決めたわけだけど、じゃあ、この最強スキルの「最高地点」って?

見えてきた最強スキルの最高地点

見えてきた最強スキルの最高地点
「これがおれの最高地点だ・・・!!これだ・・・!!!”ギア5(フィフス)”!!!」
っていうのはワンピースのルフィが覚醒したときに発したセリフ。

ルフィほどの男が「自分の限界を自分自身で決めてしまう」ようなセリフを吐いたことには違和感を覚えるものの、スキルや能力に「最高地点」があるなら、どんなものになるのか想像するのは面白い。
(ルフィは覚醒と同時に自分の死期が近いことを悟った?)

例えば、「速読」というスキルの最高地点はどんなものになるだろう?

人類史上最高レベルの速読スキル

映画『レインマン』でダスティン・ホフマンが演じたレイモンド・バビットのモデルになったキム・ピークという人は、右目で右ページ、左目で左ページを同時に読み、瞬時に「何から何まで完璧に」記憶する能力があったそうだ。(1ページを10秒、1冊の本を1時間、1日8冊)

(※彼は、脳梁(のうりょう)という「脳の右半球と左半球を連結する神経繊維の束」に損傷を受けた状態で生まれたので、右脳と左脳の連結が不完全だったとのこと。これが「どのように超人的な速読スキルに繋がっているのか」は、参照した『一流の頭脳』という書籍では説明されていない。)

想像するだけなら、これを超える速読スキルだっていくらでも想像できる。
だけど、これ以上の速読スキルが現実的に必要だろうか?
それとも「これ以上スキルは向上しない」とわかったら絶望する、向上心の権化タイプ?

この速読スキルの獲得に「人生すべてを捧げることができるか?」と聞かれたら、さすがに「できない」と答える。
他にやりたいことがたくさんあるからね。

でも、僕ならかなり高い代償を払える。
例えば、「今後一切セックス禁止」とかさ。

『HUNTER × HUNTER』で言うところの「制約と誓約」だ。
リスクはバネ。自分をルールで縛り、そのルールを破ったときに被るリスクを受け入れることで、より大きな力を得る。

僕はこの概念がスゴイ好きなんだけど、真面目な話、「一生セックス禁止」というルールを自分に課すだけで「キム・ピークさんの速読スキル」が得られるなら、僕は迷わず、直ちに、この取り引きを成立させる。

もちろん、タブーを破ったら厳罰だ。
セックスしたら「死ぬ」とか「自分と自分の大切な人たちに大きな不幸が訪れる」とか。
(絶頂を迎えた時に死ねるならある意味ラッキー?)

ちなみに、僕はゲイでもバイでもEDでもない。
ただの「若くて可愛くておっぱいの大きな女性好きの男」だ。
テストステロン値を高めるバイオハックを日常に取り入れているから、性欲も能力も申し分ない。

だからこそ、「代償(ルール)」「対価(速読スキル)」と釣り合うわけだ。

あなたはどうだろう?
あなたなら、どんな対価が得られるなら「一生セックス禁止」を代償として払える?

脱線してしまったので、「最強スキルの最高地点」の話に戻そう。
DNBに1年間、毎日30分、1日も欠かさず挑戦し続けたことで見えてきた、ワーキングメモリ(作業記憶)という最強スキルの最高地点の話だ。

もちろん、「そろそろ最高地点に届いちゃうかも〜♪」という意味じゃない。
実際このスキルに最高地点があるとして、そこに到達できるのは、今後も毎日30分の挑戦を続けたとしても何十年も先になるだろう。

そもそも僕はこのスキルに限界はないと考えているから、「死ぬまでに到達した最高地点が実質的な最高地点」になると思ってる。
(物理的な限界が「頭蓋骨」という壁なら、おそらく人間の寿命程度では到底届き得ない)

加齢に伴う睡眠の質や認知力の低下に抗う最先端の方法にアクセスできる場所に身を置くつもりではいるけど、未来のことはわからない。
老化が原因で死ぬ場合はスキルも相応に衰えているだろう。

だから、必ずしも「死ぬ瞬間に保持しているスキル = 実質的な最高地点」となるとは限らない。
どこが僕にとっての「実質的な最高地点」になるかは、僕の死に方次第かも?
(今死んだとしたら、今が「僕の実質的な最高地点」なのは間違いない!)

記憶力とワーキングメモリ(作業記憶)の最高地点

「記憶力の最高地点」と聞いて、あなたはどんな能力を想像するだろう?
これから「記憶力」「ワーキングメモリ(作業記憶)」の最高地点を見ていくけど、まずは「記憶力」からだ。

先ほどは「速読スキル」としてキム・ピークさんの人類史上最高レベルの能力を紹介したけど、彼の能力は「速読スキル × 記憶力」

仮に「記憶力」だけとってみても人類史上最高レベル。当然「最高地点」として申し分ない。
なんでも瞬時に、完璧に記憶して、記憶した情報を瞬時に取り出すことができる非の打ち所のない記憶力。
もちろん、僕が目指す「記憶力の最高地点」もココでいい。

問題は、「僕のような凡人でもこのレベルの記憶力を後天的に獲得することができるのか?」ということだ。
僕の持論は「ほぼ不可能。でも、絶対に不可能とは言い切れない」だ。

その根拠はやっぱり「神経可塑性」(正確には「脳の可塑性」!)だ。

脳の可塑性とは、内外の刺激に反応して絶えず変化するという脳細胞の性質だ。
脳(とりわけ高次の脳部位)は、あえて「一生完成しない」という特性を持つことによって、その万能性を担保している。

そして、スキルとは、神経回路を覆い、特定の信号(刺激)に反応して成長する(神経)細胞の絶縁体(ミエリン)である。
(『天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる』)

そして、DNBには「1人でディープ・プラクティスを行う仕組み」が備わっている。

よって、DNBに1万時間挑戦すれば、「天才レベルの記憶力」を獲得できる、となる。
(1日30分、2日で1時間、200日で100時間、2万日で1万時間 = 54年!
(1年で5レベルUP計算だとN=270 [270-Back]!!)

54年後(僕は90才!)もまだ元気にDNBに挑戦していたら「天才レベル」じゃとても収まらないレベル、それこそキム・ピークさんレベルの記憶力を獲得している可能性は十分にあると思う。
※(「記憶力」と「ワーキングメモリ」はそれぞれ別の能力だけど、DNBではその両方が鍛えられる)

あまり現実的ではない?
なら、学んだ神経科学の知識を使って、この目標をもっと具体的に表してみよう。

息をするように記憶する

僕たちが呼吸するとき、いちいち「呼吸しよう」とは思わない。
呼吸は通常、「無意識的に」行われる。

呼吸以外でも、「体温調節」「心拍」などは無意識的に行われている。
それはこれらの機能が「生命維持に不可欠」だから。

この他にも「睡眠」「食事」「セックス」なども、生命維持・繁殖に不可欠だから、欲求という形で無意識的な行動を促す仕組みが備わっている。

このような生命維持・繁殖に不可欠な脳部位は、それゆえに進化の最も早い時代に完成した。
つまり、これらの機能を司る脳幹や大脳基底核は、最も原始的な脳部位ってこと!

これら原始的な脳部位の特徴は、

  • 生まれる前から神経回路が最適化されていて、変化の必要がないからエネルギー効率抜群!
  • ゆえに「意識的選択」を必要としない!(無意識)


ってこと。

だから、「最小限のエネルギー消費で、無意識的に」行われる。

一方、「論理的思考」「意思決定」「学習・記憶」などを司るのは、進化的に最も新しい高次の脳部位(大脳新皮質や大脳辺縁系)

これらの脳部位の特徴は、

  • 神経回路が未完成!
  • ゆえに最適化する必要があり、
  • エネルギー効率が非常に悪く、
  • 「意識的選択」を必要とする!

ということ。

つまり、何かを記憶するときには、脳細胞を変化させるエネルギーコストが余計にかかるから、疲れるし、意識的選択を必要とするわけだ。

神経回路が完成していると機能は無意識的に働き、未完成なら意識的選択を必要とする。
それなら、「完成させちゃえばいい!」っていうのが僕の考えだ。

意識してやっと使える程度のスキルなら、まったく取るに足らない。

つまり、「無意識的な記憶」
それが僕が考える「記憶力の最高地点」ってことになる。

おそらく「天才」は、先天的または後天的にこのレベルに近い神経回路を得ているのだろう。
(幼少期からの運動や勉強の習慣、脳細胞の発生率が高い、睡眠の質が並外れて優れているなんて場合は後天的?)

もちろん、どこまで行っても高次な脳部位は完成しない。
前述したように、これらの脳部位は、あえて「一生完成しない」という特性を持つことによって、その万能性を担保していると言える。
→( 状況に応じて「変化させることができる」という性質を持たせた方が生存に有利だから、あえて完成させない。進化ってスゴイ!!)

でも、記憶に要する神経回路の最適化を進めれば、記憶する際に必要なエネルギーコストを最小限に抑えることができ、「限りなく完成に近づける」ことは可能だと僕は思ってる。

僕が毎日挑戦しているDNBは、記憶に要する神経回路の最適化を推し進める。
ここでは神経回路を変化させるコストも気前良く支払うし、そのせいで疲れることも厭わない。

でも、日中は「DNBによって最適化された神経回路を最小限のエネルギー消費で利用する権利」を存分に行使する。
(いずれにせよ、DNB以上に負荷がかかる課題を日中に見つけることはほぼ不可能だ。)

これはすでに僕がやっていることだけど、この神経回路の最適化が進むはるか彼方延長線上に、僕が目指す記憶力の最高地点「無意識的な記憶」はきっとある。

そこにたどり着いたとき、僕が見る世界は大きく変わるに違いない。

ワーキングメモリ(作業記憶)の最高地点

では、記憶力ではなく、「ワーキングメモリ(作業記憶)」の方はどのような成長を遂げているだろう?

ワーキングメモリは「意識に上がった情報を処理するためのスペース」だ。
例えば、暗算するときは、このスペースに一時的に数字を置いて計算することになる。

ワーキングメモリが向上するということは、ここに保持しておける情報が増えるということ。
だからワーキングメモリの向上に伴い、より高度な暗算が可能になるかもしれない。

でも、それは「暗算力」というまた別のスキルの向上によるところが大きいだろう。
よって、この場合、そこまで優れたワーキングメモリは必要ない。

じゃあ、「ワーキングメモリ単体」の最高地点って?
ワーキングメモリの最高地点と聞いて僕がいつもイメージするのは、”マイケル・スコフィールド”の能力だ。
※(2005年頃大ヒットした米ドラマ『プリズン・ブレイク』の主役)

ウェントワース・ミラー(超絶イケメン!)演じるマイケル・スコフィールドは、天才建築技師
得体の知れない大きな権力にハメられ死刑判決を受けた実の兄を救うべく、自身を同じ刑務所に収監させ脱獄を企てる。

全身に彫った芸術的タトゥーの正体は、「刑務所の設計図」「脱獄計画」
極悪な囚人や陰険な看守とのトラブルなど、数々の危機を乗り越えながら彼の脱獄計画は超スピードで進行していく。

マイケルの天才性の正体とは?
それはマイケルがカウンセリングを受けていた精神科医によって明らかになる。

精神科医いわく、マイケルは

  • 「いくつかの精神的疾患を抱えていた。」
  • 「その中でも注視に値するのは、『視床の機能不全(low-latent inhibition)だ。」
  • 「視床は内外からの刺激(情報)が集まる情報のハブのような脳部位。」
  • 「通常、視床は『無数に届く情報から意識に上げるべき情報を取捨選択する』役割を担っている。」
  • 「これによって、人は情報の洪水に溺れることなく、目の前のことに集中することができる。」
  • 「ただ、マイケルの場合は、この『視床による情報の取捨選択』が正しく機能していない。」
  • 「よって、彼の意識には、ありとあらゆる情報が上がってきてしまう。」
  • 「たいていの場合、この疾患を抱える患者は、情報の洪水に溺れて精神を病む。」
  • 「ただ、この情報の洪水を処理できる高いIQの持ち主なら、この疾患は『天才的な創造力』を与えてくれる。」

このようにマイケルの場合は、視床の機能不全という「先天的な神経疾患」と、「高いIQ」が合わさった結果として、「天才的な創造力」を獲得したと説明されている。
※(実際、ADHDや統合失調症などの疾患も、ドーパミンの量や受容体の数の異常により、視床が正しく機能しないことが原因となっている場合もあるらしい。)
※(集中力とは、「不要な情報をすべて遮断する」能力!)

「神経疾患」も「高いIQ」も先天的なものだから「ただの天才」じゃん?

と思われるかもしれないけど、僕はこの「高いIQ」「ワーキングメモリの最高地点」交換可能だと思っている。
ワーキングメモリの向上が「頭で処理できる情報の増加」を意味するなら、ここで説明されている「高いIQ」とほぼ同義ではないだろうか?

そして、ワーキングメモリやIQは、DNBによって向上させることができると科学的に証明されている。

あとは「視床の機能不全」だけど、仮に可能だとしてもこれを人為的に引き起こすことはさすがにリスキーだ。
でも、「視床の機能不全」がなくても、ワーキングメモリが向上するだけで、意識に上がる情報は増えるんじゃないかって僕は思ってる。

これは僕の主観に基づく意見だから当てにはならないけど、「DNBを習慣化する前は特に気にならなかったことに気がつく」ということが最近増えてきている。

DNBを習慣化する前は、「意図的に情報を制限しないとメンタル病む」って思ってて、ニュースとか自分の関心事以外の情報を意識的に排除してたけど、DNBを習慣化してからそういう感じが全くなくなった。

おそらく僕の元々のワーキングメモリ(およびIQ)が人並み外れて低くて、そのせいで「視床の機能不全」がなくても、日常的に「情報の洪水」に飲まれていて、それを適切に処理することができなかったんじゃないか、と。

もしそうなら、そしてDNBの習慣化によって人並みのワーキングメモリを獲得できたのなら、さらにDNBを継続することによって「意識に上げることができる情報の量(キャパシティ)」が増え、実際に「意識に上がる情報」も増えていくかもしれない。

そして最終的には、マイケル並みの「創造力」「予知能力」が得られるかもしれないと、僕は割と本気で期待している。
(まあ、「仮説の上に仮説を立てて爆死する」のは僕の得意技だから、まったく当てにはならないけど!)

[DNB]デュアルNバック挑戦の記録[2022年12月]まとめ

[DNB]デュアルNバック挑戦の記録[2022年12月]まとめ
12月は自身のキャリアハイを更新しまくる怒涛の1ヶ月だった。
実際、DNBの挑戦を開始して以来、これほど血湧き肉躍る1ヶ月はなかった。

今の僕の最大の関心事?

それはもちろん、

  • 「今後もこのスピードで成長し続けることができるのか?」

ということだ。

  1. 再び「月間平均Nレベルが2ヶ月に1.00向上」ペースに戻る。
  2. 今後は12月と同じスピードで成長し続ける。
  3. さらに成長が加速する。

どれも絶対にないとは言い切れないけど、今答えを出すこともできない。
だから1月も、意味のある目標は設定できない。

というわけで、1月の「意味のない目標」は、

  1. 今まで通り毎日30分挑戦する
  2. 月間平均Nレベル16以上
  3. N=20で正答率90%以上 → N=21に初挑戦!※

の3つにする。
※(N=19で正答率90%以上 → N=20に初挑戦!とか書いていたら、今回もまた「記事を公開する前に達成」してしまったので)

2022年に僕が達成したこと

  • DNBの習慣化に成功!
  • 最初のDNBアプリの最高レベル(N=14で正答率90%以上)をクリア!
  • レベル上限なしのDNBアプリ「DNB Limitless」の開発に成功!
  • 1年間、毎日30分、1日も欠かさずDNBに挑戦した!

N=20まで到達した今思うと、やっぱり「DNB Limitless」ベストなタイミングで作れたことがかなりでかい。
7月からコレを使用できたからこそ、その後の成長があり、DNBを完全に習慣化することができたと言える。

前のアプリの最高レベルをクリアした時点で成長が打ち止めになり、それ以上成長を実感できないなんてことになっていたら、すぐに挑戦をやめてしまっていたかもしれない。

DNB Limitlessは、あのとき完成させたままで、今も完璧に機能している。
(正直、レベルが上がっていくにつれて、何か不具合が起こるかもしれないと思っていた。まあ、N=100で動作テストした時も問題なさそうだったので、杞憂だったかもしれないけど)

DNB Limitlessに組み込んだ

  1. 自分の能力に合わせて自動的に難易度を調整する仕組み
  2. 自分の能力に応じて難易度が際限なく上がっていく仕組み

のおかげで、最速・最高効率で成長し続けることができた。

あのとき、なぜ「今も完璧に機能する」DNBを作ることができたのか、今でも不思議だ。
アプリ開発なんて初めての試みだったし、僕にわかっていたのは「ソレが僕に絶対必要」ということだけだった。

例えば、DNBの習慣化に挑戦するのがもう少し早かったら、Xcodeなんて最強ツールは使えなかったし、初心者にもわかりやすく書かれた書籍やブログ記事もなかっただろう。
そもそもiPhoneやPCがない時代だったかもしれない。

そしたら完全に詰んでいた。

つまり、僕の努力や達成は、そういった物やサービスを作ってくれた人たちなしでは、ありえなかったってこと!
僕もいつか彼らのように、「誰かの人生にとって価値ある物」を作りたい。

そのためには、DNBにおけるNレベルの向上だけで満足していてはダメだ。

DNBは脳力を鍛えるためのツールでしかなく、
鍛えた脳力は人生の質(QOL)を向上させるためのツールでしかない。

実際にQOLを向上させて、初めてDNBの挑戦に価値が生まれる。

残念ながら、2022年にはこの課題を達成できなかった。
僕の生活は、DNBを習慣化する前と何も変わっていない。

2023年は、少しでも、何かQOLを向上させるきっかけを掴みたい。
そのための大前提として、今後も死ぬまで、DNBに挑戦し続ける。

というわけで1月も、焦らずじっくり、「時間とエネルギーを脳細胞に変換する作業」または「地道なトンネル開通工事」を継続する。

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