認知症予防・症状改善に効果的な脳トレはデュアルNバック[DNB]
今回は「デュアルNバック[DNB]が認知症予防・症状改善に効果的な脳トレである」という持論の根拠を、これまでDNBで215日連続・107.5時間・4,543回の挑戦を積み重ねてきた僕が提示する。
この記事はこんな人にオススメ!
- 認知症予防・症状改善に効果的な脳トレを知りたい人
- 認知症(特にアルツハイマー病)について知りたい人
- 物忘れが多くなったと感じている人
- DNBという脳トレで得られる効果を知りたい人
- 記憶力・ワーキングメモリを鍛えたい人
本記事の内容
- アルツハイマー型認知症ってどんな病気?
- 「記憶できない」のか、「思い出せない」のか?
- マウスを使った実験でわかったこと
- 認知症予防・改善に効果的な脳トレはデュアルNバック[DNB]
- 理由その①:DNBは効果が科学的に証明されている唯一の脳トレ
- 理由その②:DNBで「思い出す力」も鍛えられる!
- 理由その③:DNBで向上した「思い出す力」は衰えにくい!
✅ DNBについて詳しく知りたい方:
→記憶力を鍛えたい人にオススメの脳トレはデュアルNバック
→脳力アップできる唯一の脳トレはデュアルNバック(DNB)
✅ DNBのやり方・ルールを知りたい人:
→デュアルNバック(DNB)のやり方・ルールを徹底解説!
✅ DNBをやる意味がわからない方:
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✅ DNBを習慣化するヒントを探している方:
→デュアルNバックを習慣化するために役立った5つのこと
→デュアルNバックを継続できない5つの理由
→デュアルNバックで効果を感じられない5つの理由
✅ DNBで実際に得られる効果を知りたい方:
→デュアルNバックの習慣化によって得られた効果【204日目】
→デュアルNバックの習慣化によって得られた7つの効果
→デュアルNバック(Dual N-Back)はこんな人にオススメ!
✅ DNBでハイレベルを目指したい人:
→DNBでハイレベルを目指す人にオススメのサプリBEST3
→DNB(デュアルNバック)でレベルを上げるコツ
アルツハイマー型認知症ってどんな病気?
参考書籍:『つながる脳科学』
▶︎▶︎ここから[要約]
アルツハイマー型認知症は、「記憶を司る海馬のニューロン(神経細胞)が死んでしまうことで起こる病気」
そのため症状が進行すると記憶障害が起こるわけだけど、どうやら症状が進行する前(つまり、海馬のニューロンが壊れてしまう前)にも記憶障害が起き始めることがわかってきた。
このような状態を「初期アルツハイマー病」と呼ぶ。
海馬のニューロンは無事なのに、なぜ記憶障害が起きるのか?
「記憶できない」のか、「思い出せない」のか?
「記憶力」は主に2つの脳力から成り立っている。
「インプット」と「アプトプット」
つまり、「記憶する力(記銘力)」と「思い出す力(想起力)」だ。
記憶できても、思い出せなければ記憶する力があるとは言えないし、
思い出す力があっても、思い出すための記憶がもともとなければ記憶力は成り立たない。
「書き込む力(記銘力)」と「読み込む力(想起力)」、両方の力があって初めて「記憶力」は成立する。
したがって、アルツハイマー型認知症のように記憶障害が起きる場合、「どちらの脳力が衰えているのか?」を明確にすると対処法を発見しやすくなる。
では、海馬のニューロンは無事なのに記憶障害が起こる「初期アルツハイマー病」では、「記憶する力」と「思い出す力」、どちらの脳力が衰えているのだろうか?
マウスを使った実験でわかったこと
- 結論: 初期アルツハイマー病では「思い出す力」が衰えている。
これは、マウスを使った下記の実験からわかったこと。
この実験で使われたマウスは2種類。
- ① 健康的なマウス
- ② 初期アルツハイマー病を患ったマウス
両方のマウスを用意したケージに入れ、電気ショックを与える。
これによって、マウスには「このケージに入ると電気ショックを与えられる」という恐怖記憶が形成される。
通常、恐怖記憶が形成されたマウスをこのケージに入れると、電気ショックの恐怖を思い出しフリーズ(硬直)する。
実際、恐怖記憶が形成された「健康的なマウス」をケージに入れるとフリーズした。
ところが、「初期アルツハイマー病を患ったマウス」をケージに入れてもフリーズしなかった。
この場合、考えられる原因は2つ。
- ① 恐怖記憶が形成されなかった。(記銘力に問題)
- ② 恐怖記憶を思い出せなかった。(想起力に問題)
そこで、原因はどちらなのか突き止めるため、「恐怖記憶が保存されているはずの脳部位を光で直接刺激」してみたところ、初期アルツハイマー病を患ったマウスもフリーズした。
このことから、初期アルツハイマー病を患ったマウスも電気ショックを与えられたときに「恐怖記憶を形成できていた」けど、再び同じケージに入れられたときにその記憶を「思い出せなかった」ことが判明した。
海馬のニューロンは無事なのに、なぜ「思い出す力」が衰えるのか?
どうやらその理由は、初期アルツハイマー病を患うマウスの海馬細胞に見られる「異常に少ないスパイン」に関係しているらしい。
記憶を思い出すためには、外界からの感覚器を通じて、その記憶に関係するエングラムセルに刺激が行く必要があります。
つまり、刺激がエングラムセルを再び発火させるわけです。当然のことながら、こうした刺激の伝達は、すべてシナプスを通じて起こります。シナプス後部にはスパインと呼ばれる構造があり、ここで刺激を受け取っています。
ということは、エングラムセルを刺激するスパインの数が多ければ、それだけ想起しやすくなるはずです。
『つながる脳科学』p.54から引用
実際に、初期アルツハイマー病のマウスの「スパイン」を増やしてみたところ、先ほどの光刺激がなくても、恐怖記憶を思い出してフリーズするようになった。
よって、まだ海馬のニューロンが壊れ始めていない初期アルツハイマー病で記憶障害が起きるのは、海馬細胞のスパインがなんらかの理由で減少することが原因で「思い出す力が衰える」から、ということになる。
▶︎▶︎ここまで[要約]
「思い出す力」を改善するための効果的な方法?
上記の実験で行われたように「海馬細胞のスパインを人為的に増やす」ことができれば、アルツハイマー型認知症(特に初期アルツハイマー病)に対する革新的な治療法になりそうだけど、それが可能になるまでには、研究者方のさらなるご尽力が必要だ。
それでは、今すぐにでも自分でできる、効果的な認知症予防・症状改善方法はないものか?
あなたの頭に真っ先に浮かんだものは「脳トレ」ではないだろうか?
僕もだ。
僕は神経科学の権威でもないし、アルツハイマー型認知症の治療をする医者でもない。
神経科学と脳トレをこよなく愛するただの一般人だ。
だから専門的なことは言えないけど、自分が215日連続・107.5時間・4,543回の挑戦を積み重ねているデュアルNバック(DNB)という脳トレで得られる効果については、他の誰よりも知っている自信がある。
僕はこの脳トレに心酔するあまり、自分でアプリまで作った。
DNBはやればやるほど、際限なく脳力を伸ばしていける脳トレだ。
でも、205日目までずっと使い続けてきたアプリにはN=14(14-Back)という「レベル上限」が設定されていたから、それ以上のレベルに行くためには、どうしても「レベル上限なしのDNBアプリ」が必要だった。
DNBでは「思い出す力(想起力)」も、やればやるほど鍛えられる。
初期アルツハイマー病の記憶障害の原因が「思い出す力の衰え」であるなら、DNBは間違いなく効果的な認知症予防・改善策になるはずだ。
というわけで、これから僕が「DNBは認知症予防・症状改に効果的な脳トレ」だと信じる理由を提示する。
認知症予防・症状改善に効果的な脳トレはデュアルNバック(DNB)
「デュアルNバック(DNB)は認知症予防・症状改善に効果的だ」と僕が信じる理由は主に次の3つだ。
理由その①:DNBは効果が科学的に証明されている唯一の脳トレ
デュアルNバック(DNB)はワーキングメモリ(作業記憶)を鍛えることで、流動性知能を含めた脳の総合的な力を高めることができる脳トレだ。
流動性知能は、その知識や情報を「どこから、どのように得たのか」という「実質的な頭の良さ」を評価する指標で、その人がすでに保持している知識の内容や質を評価するIQなどのような結晶性知能とは異なる。
同じクラスの生徒たちが、同じ時間、同じ教師から、同じことを教えられても、テストで同じ点を取ることはない。
それは生徒たちがまったく同じように学ぶのではないからだ。持っている流動性知能のレベルが異なっているということだ。
『シリコンバレー式超ライフハック』P.87
つまり、「知識や経験がない状態で解を導き出す脳力」それを評価する指標が流動性知能というわけだ。
流動性知能が高ければ高いほど、新しい知識をより速く吸収することができ、そこから新たなものを創造できる。
そして、この流動性知能は「生まれつきのもので、強化することはできない」と長い間信じられていた。
ところが、2008年にある研究グループが「ワーキングメモリが流動性知能にとって重要」であることに着目し、「ワーキングメモリを向上させることで、流動性知能も向上させることができるのではないか?」と仮説を立て、検証してみたところ、彼らの仮説は正しかったことが証明された。
そこで、使われたのがワーキングメモリを向上させることがわかっていたDNBだ。
1日30分、5週間、DNBを続けた被験者たちの流動性知能は、平均で40%も増加した。
つまり、DNBという脳トレで「実質的な頭の良さ」も改善できることは「科学的に証明されている」というわけだ。
理由その②:DNBで「思い出す力」も鍛えられる!
DNBは「記憶の出し入れ」をこれでもかというくらい、何度も何度も執拗に繰り返す脳トレだ。
先述したように、「記憶力」はいくら記憶する力(記銘力)があっても、それだけじゃ成り立たない。
記憶力には「思い出す力(想起力)」も必要だ。
記憶の出し入れを繰り返すDNBなら、記憶の「記銘力」と「想起力」、その両方を同時に鍛えることができる。
これは、DNBで107時間以上の挑戦を繰り返してきた僕が実感していることでもある。
実際、DNBを始める前とは比較にならないほど、記憶の出し入れがスムーズになった。
これはある夜に見た夢の話。
僕は小学校3年生くらいの頃、ミニ四駆にハマっていた。
僕がミニ四駆を好きだった理由は、完全にその「見た目」と「性能(速さ)」だけで、「どのように動いているのか?」になんて興味を持ったことは一度もなかった。
DNBを始めてしばらくしてから、突然ミニ四駆の夢を見た。
小学生の頃以来、ミニ四駆になんて触ったこともないのに。
そしてその夢の中では、なぜか「ミニ四駆の構造」が非常にリアルに再現されていた。
「モーターがどのようにギアと繋がり、そのギアがどのように車輪を回転させているのか」
なんて子供の頃はまったく興味を持たなかったはずなのに、それを夢の中で突然思い出したのだ。
これは夢の中での話だけど、起きているときにも「忘れていた昔のことを突然思い出す」なんてことがしょっちゅう起こるようになった。
“Somehow, my unconscious had served that up.
A memory I’d never even recorded or wasn’t there the whole time, and all I needed was the access.”「どういうわけか、「それ」が私の意識に浮かんできた。「それ」は私が記憶した覚えのない記憶、またはずっとそこにはなかった記憶だ。
私に必要なのは、「それ」にアクセスする方法だけだったのだ。」
というのは、映画『リミットレス』で、脳が活性化する薬を飲んだエディ・モーラ(ブラッドリー・クーパー)が、「学生時代に1度ページをめくったことがあるだけの法律の専門書」に書かれた内容を思い出したときに漏らす言葉だけど、まさにそんな感じだ。
「思い出す力」が向上するということは、今まで忘れていた(思い出せなかった)記憶にアクセスできるようになるということだ。
「忘れてしまった」からといって、それは必ずしも「記憶がなくなってしまった」からとは限らない。
海馬のニューロンがまだ死んでいない初期アルツハイマー病の場合、記憶にアクセスする力を取り戻せば、かけがえのない大事な記憶も取り戻すことができる。
そして、DNBはそれを可能にする「やる価値のある」脳トレだ。
僕がDNBで得た効果を詳しく知りたい人は、ぜひこちらの記事を読んでみてほしい。
認知症予防・症状改善の効果を期待する人だけじゃなく、仕事や勉強で「もっと上を目指したい!」と思う人にとっても、DNBが魅力的な脳トレだということがわかると思う。
理由その③:DNBで向上した「思い出す力」は衰えにくい!
いくらDNBで効果を得られることが科学的に証明されていても、鍛えた「思い出す力」があっという間に衰えてしまったら、「認知症予防・改善に効果的な脳トレ」として僕はオススメできない。
でも、安心してほしい。
「時間をかけてコツコツ積み重ねたものでも、壊れるのはあっという間」というのは自然の理(ことわり)だけど、DNBで最適化された神経回路には当てはまらない。
DNBでワーキングメモリに関わる神経回路の情報伝達能力を改善するには、それなりの時間と労力が必要だ。
1日30分で効果が得られるとはいえ、その30分を何回も積み重ねなくては望む効果は得られない。
ただ、ひとたび神経回路がミエリン化されてしまえば、そのニューロンのつながりは安定し、簡単には衰えない。
これは(先にも述べたように)「一度乗れるようになった自転車に再び乗れないようになるのは難しい」のと同じだ。
一度できるようになったことを再びできないようになるのは簡単じゃない。
DNBに挑戦するたびに、あなたのワーキングメモリに関わる神経回路が発火する。
そして、頻発する発火が合図となって、発火を繰り返す神経回路がミエリン化され、ミエリン化された回路があなたの新しい脳力(スキル)となる。
実際に、僕はこれまで何度もDNBに挑戦してはそのたびに挫折を味わってきたけど、何ヶ月もかけて心の傷を癒し、再び挑戦したときも前の挑戦でクリアしたレベルを難なくクリアすることができた。
一度形成されたミエリンは簡単には失われない。
だから、「DNBの挑戦で向上した「思い出す力」は簡単には衰えない」というわけだ。
認知症予防・症状改善に効果的な脳トレはデュアルNバック(DNB)まとめ
デュアルNバック(DNB)という脳トレが「認知症予防・症状改善に効果的」だと僕が信じる理由、なんとなくご理解いただけただろうか?
「記憶のないところに学習はない」
DNBを始める前の僕は、自分の記憶力にほとんど絶望していた。
「学びたいことはたくさんあるのに、学ぶ力がない」
読んでる最中は楽しくても、本を読み終える頃には前に読んだ本の内容を忘れてしまう。
そんな感じで僕の学習は、一進一退を繰り返し、なかなか前に進まなかった。
でも、DNBを始めたおかげで、僕は自分の記憶力に自信が持てるようになった。
そのおかげで読書も以前よりもっと楽しめるようになったし、ブログを書いたり、アプリを作ったり、仕事をするときにも大きな力になっている。
未来のことを考えて、ワクワクできるようにもなった。
DNBに挑戦し続ければ、僕の脳力は際限なく伸びていく。
1年後、5年後、10年後、20年後・・・自分に何ができるようになっているのか、真剣に楽しみで仕方がない。
でも、だからこそ、僕は前より「記憶を失うこと」を恐れている。
僕がこれまで学んできた実用的な記憶もそうだけど、やっぱり一番は「大切な思い出」の記憶だ。
- 子供の頃、家族で行ったキャンプの思い出
- 毎週日曜日、祖父と神社に参拝した思い出
- 塾をサボっていたことがバレて母に怒られた思い出
- 川原で遊んでいるときに大きな石を持ち上げたら、そのまま川に落ちた思い出・・・
そういう今の自分を形作る、心温まる思い出の数々のうちたった1つでも、「まったく思い出すことができなくなったら・・・」と考えると、死ぬより恐ろしいことのように感じる。
でも、「認知症を患う」というのはそういうことで、それは「忘れられてしまう人」にとっても辛いことだけど、「忘れてしまう人」にとっても、本当は、「本当に耐えがたいこと」なんだと思う。
自分が認知症になるのは、もちろん嫌だ。
でも、それ以上に、家族の誰かが認知症になるのは嫌だ。
だから、今のうちに認知症についてしっかり勉強しておく。
予防方法、症状が出てきてしまった場合の対処法を見つけておく。
それはもちろん、DNBなどの脳トレだけに限らない。
睡眠・栄養・運動・瞑想・断食、そのほかニューロンを育み認知機能を向上させる効果があるものなら、なんでも自分で試して体験しておく。
そして、その知識・経験を、自分以外の誰にも使う機会が訪れなければ、最高だ。