デュアルNバックを習慣化するために役立った5つのこと
デュアルNバック(DNB)という脳トレをご存知だろうか?
もし知っているのなら、それを習慣化することがどれほど難しいかわかるだろう。
もし知らないという場合は、こちらの記事をぜひ読んでみてほしい。
脳力アップできる唯一の脳トレはデュアルNバック(DNB)
デュアルNバック(DNB)について僕が知りうる限りの知識をまとめたものだ。
あなたが求める情報も得られるだろう。
誤解を恐れずにハッキリ言えば、デュアルNバック(DNB)は「凡人が超人になるための最も簡単・確実な方法」だ。
これを証明する科学的根拠は十分にあり、もちろん僕はそう確信している。
ただ、習慣化しないことには成果は得られないし、習慣化することが単純に難しい。
これがデュアルNバックが、ほとんどすべての挑戦者を返り討ちにしてきた理由だ。
かくいう僕も、これまで何度も挑戦しては返り討ちにあってきた。
「今度こそ!」と決意を新たに挑戦し、挫折した回数なら僕も負けない。
でも、僕は現在100日以上連続で毎日デュアルNバックに挑戦している。
具体的な数字を出すなら、去年(2021年)12月9日から始めて昨日で114日連続ということになる。
それも1日5回や10回ではなく、きちんと毎日20回、毎日30分をこの脳トレに捧げてきた。
幾度となく挫折を繰り返した後に、ようやくデュアルNバックの習慣化に成功したのだ。
そして、僕はこの脳トレを「これから毎日死ぬまでやる」ことを決めた。
なぜ挫折のプロである僕が突然デュアルNバックを習慣化することができたのか?
僕自身まだこの事実に驚きを隠せないのだが、習慣化できた理由は確かにある。
僕は魔法使いではないので魔法は使えない。
凡人の僕が代わりに使ったのは、誰でも今すぐ実践可能な簡単・具体的かつ非常に現実的な方法だ。
ファンタジーの要素は一切ない。
というわけで今回は「デュアルNバックを習慣化したい」と望む人並外れた向上心を持つ方に向けて、挫折のプロでありながら100日以上のデュアルNバックの継続に成功した僕が、これを習慣化するために役に立った5つの方法を紹介したいと思う。
デュアルNバックを習慣化するために役立ったことその①:睡眠の最適化
睡眠を最初に持ってきた理由は、デュアルNバックを習慣化する上で、睡眠ほど影響の大きい要素は他にないからだ。
それはただ単に、良質な睡眠が1日分の情報でいっぱいになった短期記憶の保管庫を空にし、新たな情報を記憶するスペースを確保することで、デュアルNバックの成績が上がるからというだけじゃない。
睡眠がデュアルNバックの習慣化において重要な理由は主に次の5つだ。
- 新たな情報を保存するための短期記憶のスペースを確保する
- レム睡眠によってニューロン(神経細胞)のつながりが強化される
- ミエリン(髄鞘)は起床前2時間の睡眠中に最も良く形成される
- 睡眠が上手くいけばいくほど、デュアルNバックの効果を実感しやすい
- デュアルNバックで上手くいかなくても落ち込みにくくなる
つまり、「なぜデュアルNバックをやる価値があるのか?」という問いに対する答えのほぼ全てが睡眠中にもたらされるのだ。
デュアルNバックの価値は、脳の神経可塑性という性質によって保証されている。
神経可塑性とはザックリ言ってしまえば、遺伝子や外的な刺激を受けることで脳細胞は絶えず変化しているということだ。
良く使われるニューロンのつながりは強化され、あまり使われないつながりは衰える。
デュアルNバックによって作業記憶(短期記憶)に関わるニューロンが酷使され、グッスリ眠ることによってそのつながりが強化される。
練習と睡眠が完璧を作るのだ。[Practice (and sleep) makes perfect.]
睡眠をおろそかにするのならば、デュアルNバックをやる価値はない。
全ては睡眠で最適化される。
だから僕は、300ドルもするオーラリングという最も信頼できる睡眠分析デバイスを使って自分の睡眠を毎日分析している。
僕の言葉が信じられないなら、この記事の最後に載せている本を読んでみて。
睡眠に関するありとあらゆる最新の知見が惜しみなく紹介されているから。
現在、これ以上に価値のある睡眠に関する専門書は他にないだろう。
まずは睡眠を最適化する。
これがデュアルNバックの習慣化において最も重要なことだ。
デュアルNバックを習慣化するために役立ったことその②:食事の最適化
オーラリングによるフィードバックからわかったことだけど、睡眠の質は「何を」「いつ」「どのくらい」食べるかによって大きな影響を受ける。
「最も大きな影響」と言ってもいいかもしれない。
運動や寝室の環境、就寝前の習慣なども大事だけど、食事ほどじゃない。
食事や摂取した栄養による体の反応は、「遺伝子」「腸内環境」「選択・行動」などによって大きな個人差があるから、こればっかりは「何が自分にとって正解なのか?」、あなた自身が確かめなくちゃいけない。
だから、僕ができる万人向けのざっくりしたアドバイスはこんな感じ。
- 就寝前に食べ過ぎないこと
- 夕食後・就寝前の心拍数を測ること
- 就寝前に心拍数を低く安定させること
- 鉄、亜鉛、マグネシウムなどミネラルを十分に摂ること
僕には色々な食物アレルギーがあって、蕁麻疹はほとんど出なくなったけど、アレルギー反応を引き起こす食材を食べると心拍数が上昇する。
これはオーラリングによるフィードバックからわかったことだけど、上がった心拍数はその後何時間経っても正常に戻らない。
これが問題なのは、心拍数が上がった状態で眠ると、
- 就寝中に無自覚の覚醒が増えることと、
- 入眠直後に最も長く深くなるノンレム睡眠が阻害される
から。
僕の場合は、アレルギーのない肉類や白米でも(特に量が多ければ)心拍数が上がることがわかったから、食べる量や時間帯には気をつけるようになった。
どの食べ物で心拍数が上がるかは人それぞれ違うと思うから、心拍数を測るという習慣はオススメだ。
デュアルNバックを習慣化するためには、睡眠の最適化は欠かせない。
そのための食事の最適化も重要というわけだ。
デュアルNバックを習慣化するために役立ったことその③:運動習慣の最適化
デュアルNバックを習慣化したいなら、運動する習慣を持つことも大事だ。
これは「適度な運動が睡眠の質を上げるから」という理由だけで言っているわけじゃない。
運動が実際に脳を育むからだ。
ランニングなどの有酸素運動やスポーツをすると、脳内でニューロン(神経細胞)の成長を促す様々な化学物質が分泌される。
その中で最も重要なのが「脳の奇跡の肥料」と呼ばれるBDNF(脳由来神経栄養因子)だ。
BDNFの主な役割
- 新しいニューロンの発生促進
- ニューロンの成長促進
- 既存の神経回路の保護
つまり、体を動かすと、こいつがバンバン分泌されて、あなたのニューロンは春の植物のようにグングン成長するというわけだ。
どうやら体の主な機能は脳を運ぶことではなく、育てることだったらしい。
でも、新しく生まれたニューロンは、生きる目的が与えられないとすぐに死んでしまう。
生き甲斐がないと死んでしまうなんて、僕たち人間にちょっと似てるね。
普通は、スポーツで練習した新しい動きや学習した知識がニューロンの生きる目的になるわけだけど、僕たちにはデュアルNバックもある。
- 運動→ BDNF分泌促進→ ニューロンの発生・成長促進→ デュアルNバックで短期記憶を酷使→ 新しく生まれたニューロンに短期記憶の強化という生きる目的を与える→ グッスリ眠ってニューロンの強化とミエリンの形成を促進→ 気持ちよく起床→ 運動→ BDNF分泌促進→ ・・・
これができればデュアルNバックで得られるメリットを最速で得られる。
「デュアルNバックを習慣化したいけど、運動習慣がない」という人は、健康やダイエット云々はさておき、ぜひ運動によるこのメリットをよ〜く吟味していただきたい。
デュアルNバックを習慣化するために役立ったことその④:毎日SNSで報告
デュアルNバックを習慣化するために、僕はまず挑戦の難易度を下げた。
目的は習慣化することだから、「毎日やる」ことが大事で、そのために1日20回(約30分)が推奨される挑戦の回数を1日10回(約15分)にした。
そして、毎日の挑戦をツイッターでつぶやくことにした。
他の人にとっては全く面白くない、何の役にも立たないツイートなのに、毎日「いいね」や励ましの言葉をくれる人たちがいる。
そしたら、「ツイッターでつぶやくために挑戦しなくちゃ」という気持ちが芽生えた。
いつしか毎日やることが当たり前になったので、挑戦の回数を1日20回に引き上げた。
結果は冒頭で説明した通り、毎日20回、約30分の挑戦を114日連続で続けている。
ツイッターでの報告も1日も欠かしていない。
ご覧のように、僕にとっては「ツイッターで毎日結果報告する」ことがデュアルNバックの習慣化に大きな役割を果たした。
デュアルNバックを習慣化するための具体的な解決策がまだ見つかっていないなら、ぜひ僕の真似して毎日の挑戦をツイートしてみてほしい。
なんなら僕のフォーマットを丸ごとパクってもらっても構わない。
あなたにも有効かどうかはわからないが、試してみる価値はあるはずだ。
デュアルNバックを習慣化するために役立ったことその⑤:正しい知識をインプットする
デュアルNバックの存在を知らなければ、そもそも挑戦しようとさえ思えない。
ただ、デュアルNバックを習慣化しようと思うなら、それ以上の知識が役に立つ。
正しい知識は希望という名の大きなモチベーションになる。
とりわけ先にざっくり説明した神経可塑性について学ぶことが重要だ。
オススメの書籍は
- 『天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる』
- 『脳を鍛えるには運動しかない!』
- 『LIMITLESS(リミットレス)』
『脳を鍛えるには運動しかない!』には上で紹介したBDNFについても詳しく書かれている。
本気で学びたい人のために、記事の最後にリンクを貼っておいた。
神経可塑性を十分に理解している人なら、人の脳力に限界がないことも理解できるだろう。
そして、デュアルNバックは、「今のあなたの限界」を引き上げる最高のツールだ。
この脳トレで、あなたの脳力は理論上際限なくアップグレードできる。
1日24時間=1,440分中の30分をニューロンに変える
デュアルNバック以上に有意義な1日30分という時間の使い道を、僕はもうまったく思いつけなくなった。
なぜなら、デュアルNバックに費やす時間とエネルギーは、物理的に短期記憶のニューロンやミエリンに変換して蓄積できるからだ。
デュアルNバックに費やす時間とエネルギーは、一切無駄にならず、あなたの脳の一部になる。
ここにもファンタジーの要素は一切ない。100%科学の話だ。
これを知ってしまえば、デュアルNバックの習慣化はもはや不可避だ。
デュアルNバックを習慣化するために役立ったことまとめ
いかがだっただろうか?
今すぐにでも実践しようと思えた項目はあっただろうか?
デュアルNバックに挑む人は非常に少ない。
挫折を経験しながらも、これを習慣化したいという人はさらに少ない。
こんな記事を書いたところで、読まれることはほとんどないだろう。
ただ、今実際に読んでくれているあなたは、間違いなく人並外れた向上心を持っている。
そんな奇特な方の一助になれるなら、執筆者としてこれ以上の喜びはない。
デュアルNバックの習慣化に成功したあなたの脳は、日々アップグレードされていく。
日々アップグレードされていくあなたの脳にどんなソフト(知識)をインストールするかは、完全にあなた次第だ。
Let’s unleash your potential.
さあ、あなたの潜在能力を解き放とう。
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参考書籍