カフェインの9つの効果をまとめてみました
カフェインが持つ9つの効果をまとめたので、参考にしていただけたらと思います。
本記事の内容
- カフェインの9つの効果
- まとめ
カフェインは、コーヒー、カカオ、緑茶、バニラなどの植物から抽出される向精神性の物質です。
自ら動くことのできない植物が自身を守るためや生存競争に勝つために作り出す特異的成分をアレロケミカル(他感作用物質)と言い、カフェインはその1種。
カフェインが持つその向精神性の作用が遥か昔から僕たち人類を惹きつけてやまない原因となっていることは皮肉にも思えますが、結果的にカフェインを作る植物は「生存競争に勝った」と言えるのではないでしょうか。
僕たち人類は、カフェインを作る植物を利用しているつもりでいながら、同時にそんな植物たちに利用されているのかもしれません。
世界でもっとも取引量が多い商品は原油だが、カフェインは原油に次ぐ2位につけている。
カフェインの摂取は、人類史上もっとも長く続いている薬品の人体実験とも言えるだろう。
(『睡眠こそ最強の解決策である』P.38より引用)
このようにカフェインは、世界中の人のもっとも身近に存在する向精神性の物質と言えますが、実のところ「眠気覚まし」や「気分向上」以外の効果を熟知している方は少ないのではないでしょうか?
僕がカフェインの記事を書こうと思った理由も、僕自身がその効果をしっかり把握したかったからです。
「カフェイン中毒」を疑うくらいにコーヒー好きな僕ですが、「カフェインが実際に僕に何をしてくれているのか?」をきちんと調べたことがありませんでした。
そこで今回思い切って調べてみたところ、もっとカフェインに惹かれる結果となってしまったので、そんなカフェインの科学的根拠に基づいた9つの効果を紹介しようと思います。
※今回は、コーヒーではなく、「カフェイン単体」の効果の紹介になります。
カフェインの9つの効果
- 脂肪燃焼促進
- エネルギーUP
- 筋力・筋持久力UP
- 反応速度UP
- 集中力・記憶力UP
- やる気UP
- パーキンソン病のリスク減少
- アルツハイマー病・認知症のリスク減少
- インスリン感受性UP
カフェインの効果その1. 脂肪燃焼促進
カフェインの脂肪燃焼を促進する効果は、ダイエットに取り組む全ての人の頼もしい味方になります。
ダイエット系の多くのサプリにカフェインが含まれているのはこのためです。
カフェインが抑制物質であるアデノシンの受容体にハマると、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が増加します。[2]
これによって、脂肪を分解してエネルギー(ATP)を引き出す代謝が促進されるので、脂肪を減らしながら、脳や体を動かすために必要なエネルギーを獲得できます。
カフェインの効果その2. エネルギーUP
カフェインの摂取によってエネルギーが増えるのは、上で説明したように、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質が増えることで脂肪燃焼が促進されるからです。
- カフェインの摂取 → 抑制性のアデノシンの働きを阻害 → ドーパミン・ノルアドレナリンの増加 → 脂肪燃焼促進 → エネルギー獲得!
カフェインの効果その3. 筋力・筋持久力UP
カフェインの筋力・筋持久力を向上させる効果は、スポーツや筋トレに励むすべての人にとってもはや不可欠と言えます。
ある大規模な調査[3]において、体重1kgあたり3〜6mgのカフェインの摂取が被験者の持久力をわずかに向上させることが確認されました。
またある調査[4]では、
- カフェインの摂取なし
- 100mgのカフェインを摂取
- 200mgのカフェインを摂取
という3つのグループの持久走のタイムを測ったところ、カフェインの摂取量が多いほどタイムが速くなる傾向が確認されたようです。
12人の被験者を対象にして行われたベンチプレスの記録を測る調査[5]では、体重1kgあたり3mgのカフェインを摂取したグループがプラシーボを摂取したグループよりもはるかに良い記録を出す傾向が確認されました。
このように、カフェインの筋力・筋持久力を向上させる効果は様々な研究によって確認されているものの、実際のところは「まだ調査が必要」と結論づけられているようです。
カフェインの効果その4. 反応速度UP
ヒトを対象にした数々の研究[6]において、カフェインが
- 反応速度
- 記憶力
- 集中力
を含めた総合的な認知機能を向上させることが確認されているようです。
カフェインの効果その5. 集中力・記憶力UP
上と同じ研究[6]において、カフェインによる「集中力」および「記憶力」を向上させる効果も確認されています。
カフェインの効果その6. やる気UP
カフェインの摂取で気分・やる気が向上するのは、ドーパミンやノルアドレナリンが増加するからです。[2]
やる気の向上に伴ってエネルギーも増加するので、より活動的になれるというわけですね。確かにカフェインを摂取すると、「何かしたいと思ったらすぐに体が動く」ようになる気がします。
カフェインの効果その7. パーキンソン病のリスク減少
カフェインにはパーキンソン病のリスクを減少させる効果もあるようです。
ある調査において、コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べてパーキンソン病にかかるリスクが32〜60%も少ないことが確認されています。[7]
ちなみに、カフェイン抜きのコーヒーを飲んだ人のパーキンソン病のリスクは減少しなかったとのことなので、カフェインそのものの効果であることがわかっているようです。
カフェインの効果その8. アルツハイマー病・認知症のリスク減少
カフェインには脳内における炎症を抑制することで、アルツハイマー病や認知症のリスクを減少させる効果もあるそうです。[8]
これもコーヒーではなく、カフェイン単体の効果らしいです。
カフェインの効果その9. インスリン感受性UP
カフェインには細胞のインスリン感受性を向上させ、グルコース(糖質)の利用効率を向上させる効果もあるようです。[9]
いくらグルコース(糖質)を摂取しても、細胞がグルコースを取り込めなければエネルギー(ATP)を生産できません。
余った糖質は脂肪細胞に蓄積されるだけでなく、細胞を蝕み老化・病気を進行させるのでインスリン感受性が低いことは大きな問題になりえます。
カフェインを摂取することで細胞がグルコースを取り込み易くなれば、糖尿病を患う人だけでなく、すべての人にとって朗報と言えるでしょう。
このインスリン感受性を向上させる効果も、カフェインの摂取によって使えるエネルギーが増加する理由の1つであることは間違いなさそうです。
まとめ: カフェインの効果・摂取量・時間
今回紹介させていただいたカフェインの効果をすべて知っていた場合は退屈なものになってしまったかもしれませんが、いかがでしたか?
今回調べるにあたって気をつけたことは、「コーヒーの効果とカフェインの効果をごっちゃにしない」ということです。
調べるのはなかなか大変でしたが、目的は果たせたと思います。
カフェインの摂取上限は、主に各々が持つ遺伝子によって異なります。カフェインの含有量も「何を飲むか」や「どの種類の豆や茶葉を使うか」などによって大きく異なります。
基本的には、1日あたり1〜2杯を上限とするのがベターだと思います。
睡眠の質を損なわないためには少なくとも「就寝の8〜9時間前までにはカフェイン摂取を終える」ようにするのが良いようです。
今回紹介させていただいたように、カフェインには少なくとも9つの科学的エビデンスに基づいた効果があります。その効果と「自分の体がカフェインにどのように反応するのか」をきちんと把握すれば、少なくとも「カフェインに利用される」ことはなくなるはずです。
カフェインとの付き合い方を最適化し、毎日のパフォーマンス(生産性)を最大化するためにお役立ていただければ幸いです。
参考書籍・文献
- [1] 睡眠こそ最強の解決策である
- [2] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1356551/
- [3] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29876876/
- [4] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27426699/
- [5] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33312286/
- [6] https://onlinelibrary.wiley.com/
- [7] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15522854/
- [8] https://archive.rsna.org/2005/4418422.html
- [9] https://link.springer.com/…
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