「遺伝子」「腸内細菌」を活かす「選択」がパフォーマンスを最大化する
今回は、
- あなたの健康およびパフォーマンス(生産性)は、あなたの「遺伝子」「腸内細菌」そして「選択」によって決まる
ということについて書きます。
本記事の内容
- 仕入れた情報・アドバイスを盲信することの問題点
- パフォーマンス=「遺伝子」×「腸内細菌」×「選択」
- 具体例① 遺伝子の違い:「遺伝性果糖不耐症」「OTC欠損症」「乳糖不耐症」
- 具体例② 腸内細菌の違い:「牛の腸内細菌を持つ女性」
- 具体例③ 選択の違い:「ミツバチ」「断食がもたらした奇跡」「グルテンフリーがもたらした奇跡」
- まとめ:「自分に合うか試してみるか」という姿勢が大事
ども、バイオハッカーのYujiroです。
今から約5年前、グルテンフリーで身体の力を取り戻し、2度完璧なZONE(ゾーン、フロー)に入ったことをきっかけに、自身の日々のパフォーマンス(生産性)を科学的に最大化する方法(=バイオハック)を研究しています。
僕のZONE体験について詳しく知りたい方は人生で2度ZONEに入った著者が考える誰もがゾーンに入ることを目指すべき14の理由【保存版】をどうぞ。
単刀直入にお聞きしますが、僕がこのブログで発信している情報や著名な医師によって書かれた書籍の中のアドバイスなどを、あなたはどれくらい信じていますか?
- 「Yujiroみたいな素人より医者の言うことの方が断然信用できる」
- 「素人発信だろうが科学的な根拠があるなら信用できる」
- 「医者が常に正しい情報を発信しているとは限らない」
- 「医者なんかよりもYujiroの方が断然説得力がある」
- 「てゆーか、そもそもYujiroは生理的に受け付けない」
など、そもそもの情報源に対して感じている信用の程度も様々だと思います。
でも、コレ、実はどれも問題があるんです。
つまり、情報源が何であれ、仕入れた情報・アドバイスを「盲信」することにリスクがあるということです。
仕入れた情報・アドバイスを盲信することの問題点
- その① :その情報・アドバイスは、あなた専用ではない
- その② :あなたと同じ人間は存在しない
パフォーマンス=「遺伝子」×「腸内細菌」×「選択」
どういうことかというと、あなたの健康およびパフォーマンスを決めるのは、あなたの「遺伝子」「腸内細菌」そして「選択」で、その情報・アドバイスが何であれ、あなたの遺伝子や腸内細菌や選択を考慮に入れて発信されたものである可能性は(ほぼ)ゼロだということです。
また、あなたとまったく同じ「遺伝子」と「腸内細菌」を持ち、あなたと同じ「選択」を取ってきた人間は、この世に1人も存在しません。
これは、あなたの「選択」が、実際にあなたの「遺伝子」や「腸内細菌」を変えることを考えれば、例えあなたに一卵性の双子の兄弟姉妹がいたり、あなたのクローンがいたとしても、あなたとまったく同じ人間が存在しえないという僕の主張を理解しやすくなるのではないかと思います。
ですから、
- 「1日1個のりんごで医者いらず」
- 「ヴィーガン(完全菜食主義)だと健康を損なう」
- 「炭水化物・タンパク質・脂質をバランス良く食べることが健康の秘訣だ」
というような、一般的に正しいと信じられている情報もあなたの「遺伝子」「腸内細菌」「選択」次第では、あなたに正反対の影響をおよぼす可能性があるのです。
というわけで、今回の記事では、「一般向けに発信された科学的根拠を伴った情報やアドバイスが、あなたの遺伝子、腸内細菌、選択次第ではあなたの健康やパフォーマンスを損なう可能性がある」という僕の主張を、3つの具体例を示しながら解説したいと思います。
※コレは、僕が責任から逃れたいから(だけ)ではなく、あなたの利益にもなる、つまり、僕とあなたが”Win-Win”の関係を築くことができる素晴らしいお話ですので、どうか最後までご静聴くださいませ。
具体例① 遺伝子の違い:
「遺伝性果糖不耐症」
「1日1個のりんごで医者いらず」ではなく「1日1個のりんごが命取り」になる人がいるという実話です。
遺伝性果糖不耐症は、果糖(フルクトース)を分解する「フルクトース2リン酸アルドラーゼB」という酵素を体内で十分に生成できない遺伝病です。
この遺伝子疾患を患う人は、摂取した果糖を十分に分解することができないため、果糖を含む飲食物を摂取すると健康やパフォーマンスを著しく損なってしまうようです。
果糖を摂取した後に起こる吐き気や膨満感など不快な症状によって、「自分には果糖は合わないようだ」と気づくことができれば、果糖を避けるだけで健康やパフォーマンスを取り戻すことができますが、そうでなければ卒中、昏睡、臓器不全やガンなどによって実際に命を落とす危険もあるのだとか。
「OTC欠損症」
また、OTC欠損症という遺伝性疾患を抱える人は、タンパク質が分解された時に生じるアンモニアを尿素に変える「オルニチン・トランスカルバミラーゼ」という酵素を十分に生成できないために、タンパク質を摂取すると体内のアンモニア濃度が上昇し、健康やパフォーマンスを著しく損なってしまうようです。
「乳糖不耐症」
僕たち日本人を含めたアジア人は、乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する「ガラクターゼ」という酵素を十分に生成できない遺伝子を受け継いでおり、そのため乳糖を含んだ飲食物を摂取すると消化不良により「胸焼け」「胃腸の不快感」「鼻づまり」などの症状に悩まされる傾向があるようです。
以上3つのうち2つは稀な例ではありますが、「果物を食べることは健康にいい」とか「タンパク質はドーパミンやセロトニンなど神経伝達物質の材料になるからきちんと補給しよう」などの一般向けのアドバイスを、各々が持つ「遺伝子の違い」を考慮に入れずに盲信することのリスクは感じていただけたのではないかと思います。
具体例② 腸内細菌の違い:
「牛の腸内細菌を持つ女性」
森美智代さんは、1日1杯の青汁とサプリメントだけで20年以上健康を維持している女性です。
どんなサプリメントを飲んでいるのかはわかりませんが、「森さんの1日の摂取カロリーが45キロカロリー」だという話と「青汁を1杯以上飲むとすぐに太ってしまう」という話が本当であれば、プロテインを飲んでいるなんてことはないでしょう。
きっとビタミンやミネラルだと思います。
森さんにこのような離れ業を可能にしているのは、彼女が持つ特殊な腸内細菌だとか。
森さんの腸内には、牛の胃(発酵槽)に見られるものと同じ種類の細菌が住んでいて、その腸内最近が青汁に含まれるセルロース(食物繊維)を分解して、彼女に必要なアミノ酸や脂肪酸、ビタミンなどの栄養素を代謝してくれているようなのです。
ちなみに、森さんの腸内細菌は、通常尿素となって体外へ排出されるアンモニアまで利用してアミノ酸など栄養素を作っているのだとか。
先にお話ししたOTC欠損症を患う人も、この腸内細菌を持っていれば肉や魚などを食べても問題なく生活できるかもしれないですね。
今後、腸内細菌についての研究がもっと進めば、このような「遺伝性疾患を腸内細菌の働きで補う」なんて治療が普及したり、食糧や水不足の問題を解決するための手段として、このような”スーパー腸内細菌”の力に頼ることもできるかもしれません。
- → 牛や豚や鳥を食べない人が増えれば、牛や豚や鳥に与える水や餌、飼育や餌を作るのに必要な水や土地も節約できる
新しい神経発生を促す「脳の奇跡の肥料」BDNFを代謝する細菌や花粉症などアレルギーの原因と考えられているヒスタミンを分解する細菌も見つかっていたり、バイオハッカーとして僕もこの分野の研究の進展に、ワクワクせずにはいられないです。
具体例③ 選択の違い:
「ミツバチ」
女王バチと働きバチでは、容姿も能力も(多分持っている権力や集める畏敬の念も)まったく違い、同じ遺伝子を持っているとは思えませんが、実は両者の遺伝子に違いはないらしいのです。
では、何がミツバチの幼虫が女王バチになるか、働きバチになるかを決めるのか?
その答えは「食べ物」です。
ローヤルゼリー(=若い働きバチの口内にある腺によって作られるタンパク質とアミノ酸豊かな分泌物)を与えられる幼虫だけが女王バチになるとのこと。
ローヤルゼリーを食べるという「選択」が、ミツバチの幼虫の「働きバチになる」という遺伝子をオフにするということみたいです。
もちろん、人間ではここまで劇的に変わりませんが、「喫煙」「菜食主義」「運動」「睡眠時間や質」など、あなたが取る「選択」次第で、あなたの遺伝子のスイッチは、今もオンになったり、オフになったりしているというわけなのです。
そして、そのオンやオフが、あなた(や実はあなたの子供や孫)の病気や肥満になるリスクを上げたり、下げたりしているのです。
あなたの「選択」によって、あなたの「遺伝子」は変わるのです。
「断食がもたらした奇跡」
上で紹介した森美智代さんは、生まれつき牛と同じ腸内細菌を持っていたわけではないようです。
21才のとき、森さんは脊髄小脳変性症を発症したそうです。
それは、「脊髄や小脳の萎縮により平衡感覚が衰え、やがて寝たきり状態になる病気」とのこと。
「生きるためにできることは何でもやる」
という決意のもと、森さんが始めたのは「断食」と「菜食」。
森さんが取ったその「選択」が、彼女の腸内細菌を変え、病気を制し、人生を変えることになったのだそうです。
あなたの「選択」が、あなたの「腸内細菌」を変えることを示唆する事例の1つです。
「グルテンフリーの食事がもたらした奇跡」
17才で統合失調症と診断されたある女性の話です。
『「いつものパン」があなたを殺す』という書籍で紹介されているこの女性は、日常的に幻覚を経験し、自殺未遂を起こして何度も入院したけれど、薬を使っても症状が改善することはなかったそうです。
それが、彼女が70才になってグルテンフリー、低炭水化物の新たな食事を開始すると、ひと月も経たないうちに、統合失調症の症状がなくなってしまったそうです。
「グルテンフリー、低炭水化物」という「選択」を、彼女が17才のときに取ることができていたとしたら、彼女がその後過ごした53年間はまったく違ったものになっていたでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
あなたの健康やパフォーマンスを決めるのは、あなたの「遺伝子」「腸内細菌」そして「選択」であるという僕の主張、何となく理解していただけたでしょうか?
- 「○○を食べると健康にいいですよ」
- 「□□をするとパフォーマンスが上がるのでオススメです」
- 「長生きしたいなら△△やらない方がいいですよ」
というような一般化されたアドバイスでも、科学的根拠がきちんとあるものであれば、これらに従うことがあなたのメリットになる可能性は確かに高いと思います。
でも、絶対というわけではありません。
そのように一般化されたアドバイスを盲信したがために、上で紹介した数々の事例のように、健康やパフォーマンスを損なうこともあるのです。
自分自身の「遺伝子」や「腸内細菌」を活かす「選択」をしなければ、最高のパフォーマンスを発揮することはできません。
結局のところ、「自分という存在を一般化することはできない」というお話でした。
というわけで、これからも僕がこのブログを通して発信する情報も「Yujiroが言ってるんだから絶対正しい!」などと決して思考停止して鵜呑みにせず、「自分に合うかどうか、試してみるか」という重心をやや後ろに置いた姿勢で読んでいただけたら幸いです。
参考書籍
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「なんでやねん」という方はこちらをお読みください。