ZONEHACKERS' LAB Written by Yujiro

デュアルNバックには「1億円の価値」がある?

ミエリン 脳トレ

この記事を発見されたということは、あなたはすでにデュアルNバック(DNB)という脳トレをご存知なのかもしれない。
デュアルNバックは、作業記憶(ワーキングメモリ)を鍛えることで、流動性知能を含めた脳の総合的な力を向上させることができる脳トレだ。
(IQは結晶性知能と呼ばれ、流動性知能とは区別されるが、IQもデュアルNバックで向上することがわかっている)

このデュアルNバックについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事を読んでみてほしい。
脳力アップできる唯一の脳トレはデュアルNバック(DNB)

デュアルNバックについて簡潔にまとめたものだ。

  • デュアルNバックで向上する脳力
  • 僕が実際に使っているアプリ
  • ゲームのルール・やり方
  • 成果を最大化するためのヒント

など、あなたが求める情報が得られるはずだ。

この記事は、デュアルNバック(DNB)を知っているが、この脳トレについてもっと詳しく知りたいという方に向けて書かれている。

一度でもデュアルNバックに挑戦したことがある方なら、この脳トレを習慣化することは非常に難しいという僕の意見に同意してくれると思う。

何事にも言えることだが、継続しないことには望む成果は得られない。
もちろん、デュアルNバックも例外ではない。
デュアルNバックの効果を実感できるまでに、平均1日30分、週5日、合計40日の挑戦が必要とされている。

健康のための新しい運動習慣であれ、ニコチン摂取の習慣であれ、人は効果を実感できないものは継続できない。
が、デュアルNバックで効果を実感できるまでに捧げなければならない時間と労力は多すぎる。
これがデュアルNバックが今日まで、ほぼすべての挑戦者を返り討ちにしてきた理由だ。

かくいう僕も、そんなデュアルNバックの立派な犠牲者の一人だ。
過去幾度となく挑戦しては返り討ちにあい、心の傷を癒して再挑戦しては返り討ちにあった。
「今度こそ!」と決意新たに挑んでは、痛烈なカウンターパンチを食らってノックダウンされた回数なら僕も負けない。

でも、僕は現在120日以上連続でこのデュアルNバックに挑戦し続けている。
具体的な数字を出すなら、去年(2021年)の12月9日から始めて昨日で127日連続ということになる。
(信じられなければ、僕のTwitterでの報告を確認してみて。)

それも1日5回や10回ではなく、きちんと1日20回、約30分を、毎日1日も欠かさず、デュアルNバックに捧げてきた。
何度も挫折を繰り返したのちに、ようやくデュアルNバックの習慣化に成功したのだ。

なぜそんな挫折のプロとも言える僕が突然、デュアルNバックの習慣化に成功できたのか?

僕は超能力者ではないので超能力は使えない。
凡人の僕が代わりに使ったのは、誰でも使えるいくつかの現実的な方法だが、中でもとりわけ役に立ったのは、「デュアルNバックの真の価値を理解したこと」だ。

『デュアルNバックには「1億円の価値」がある?』というのは、僕がこの記事につけたタイトルだが、僕の腑には同じ文章が「疑問符なし」で落ちている。

正しくは『デュアルNバックには「1億円以上の価値」がある!』だ。
ついでに「以上」と「感嘆符(!)」をつけてみたが、実際これくらいで丁度いい。

デュアルNバックに真剣に取り組んでも、40日ほどは効果を実感できない。
効果を実感できないものを40日も続けるのであれば、効果の実感に変わるモチベーションが必要だ。
デュアルNバックの価値を正しく理解することは、希望という名の大きなモチベーションになる。
なぜならこの脳トレには、本当にそれだけのとんでもない価値があるからだ。

というわけで今回は、「なぜデュアルNバックに1億円以上の価値があるのか?」その理由を深掘りしたいと思う。

デュアルNバックに1億円以上の価値がある理由:科学的に天才を育む仕組み

ディープ・プラクティスによって解放される天才
結論から言おう。
デュアルNバックは「自動天才育成プログラム」だ。
この脳トレには「科学的に天才を育む仕組み」が完璧に備わっている。
ゆえに、デュアルNバックには1億円以上の価値がある。
この記事で言いたいことは以上だ。

ただ、もしあなたが

  • 「科学的に天才を育む仕組みとは何なのか?」
  • 「なぜデュアルNバックに天才を育む仕組みが備わっていると言えるのか?」

という問いの答えに興味をお持ちなら、ぜひもうしばらくお付き合い願いたい。

どのように天才はつくられるのか?

『天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる』という書籍で展開されるのは、「ディープ・プラクティスと呼ばれる特殊な練習を1万時間続けることで、誰でも天才になれる」という理論だ。

ディープ・プラクティスとは、「今の自分よりちょっとだけ高いレベル」における「正確さを重視した練習・挑戦の反復」のことで、この「ちょっとだけ高いレベル」のことを最も有効な結果を残せる点という意味でスウィートスポットと呼んでいる。

つまり、このスウィートスポットにおける正確さを重視した練習を1万時間繰り返すことで、天才を定義する世界レベルのスキルが得られるというわけだ。

  • 世界レベルのスキル = ディープ・プラクティス × 1万時間

どんなスキル(技能)であれ、獲得するためには反復練習が欠かせない。
あなたが自転車に乗れるなら、そのために何度も失敗し、時には泣くほど痛い思いをしながらも、歯を食いしばって練習し続けた結果だろう。

何かのスポーツが得意なら、そのスポーツに必要なシュート、パス、ドリブル、リフティング、トス、バットやラケットを振る動作を何度も何度も繰り返し練習したからだろう。

スキルを身につけるためには、反復練習が不可欠。
だけど、そもそも「なぜスキルを身につけるために反復練習が不可欠なのか?」考えたことはあるだろうか?

ディープ・プラクティスが効く理由を理解するには、「スキルとは何なのか?」というスキルの本質を理解することが重要だ。
ひとたびスキルの本質を理解すれば、あなたが欲するスキルがなんであれ、その獲得は容易になる。

すべてのスキルは記憶の形をとる

スキルの本質を理解するには、脳の神経可塑性という性質とミエリン(髄鞘)について学ぶ必要がある。

神経可塑性とは、あなたの遺伝子や思考、選択・行動・環境からの刺激を受け、あなたの脳のニューロン(神経)は絶えず変化するという性質だ。
よく使われるニューロンのつながりは強化され、そうでないつながりは衰える。
ニューロンのつながりが強化されればされるほど、そのニューロン群の情報伝達能力は向上する。

ニューロンの情報伝達能力は、主に次の4つの要素によって決定する。

  1. ニューロンが放出する神経伝達物質の量
  2. ニューロンのシナプスにある受容体の数
  3. シナプスそのものの大きさ
  4. ニューロンの軸索に巻きつくミエリンの数・長さ・層の厚さ

ニューロンが放出する神経伝達物質の量が多ければ多いほど
ニューロンのシナプスにある受容体の数が多ければ多いほど
シナプスそのものの大きさが大きければ大きいほど
ニューロンの軸索に巻きつくミエリンの数が多ければ多いほど
長さが長ければ長いほど
層が厚ければ厚いほど
ニューロンのつながりは安定し、情報を次のニューロンへ無駄なく、より速く伝えることができる。
これがすべてのスキルの本質だ。

あらゆるスキルの獲得に反復練習が欠かせないのは、反復練習によってその動作に関わるニューロン群のつながりが強化され、情報伝達効率・速度が最適化されるからというわけだ。

マッスルメモリー(筋肉記憶)という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれないが、筋肉には何かを記憶する能力はない。
筋肉に動き方を教えているのは脳であり、脳からの指示がなければ筋肉は動かない。
反復練習によってあなたの脳の中に「安定したニューロンのつながり」が築かれ、その指示に従って筋肉が動くとき、そのニューロンのつながりがスキルとして表現されるのだ。

もちろん、筋肉を介して表現されないスキルに関しても同様だ。
例えば、思考、読解力、言語能力、会話力、計算能力、記憶力などのスキルも、反復練習によって強化されたニューロンのつながりによって表現される。

  • 反復練習 → 関係するニューロン群の発火 → ニューロン群のつながりが強化 → ニューロン群の情報伝達能力が向上 → スキルとして表現される

そして、このスキルのもととなるニューロン群の情報伝達能力を最速で向上させる方法が、ディープ・プラクティスだ。

ディープ・プラクティスを行うには、以下の3つの点に注意する必要がある。

1. とにかく正確であることが最重要!

大事なのは、間違えたとき、それに気づくことができる基準点を設けることだ。
『天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる』

正確であるかどうかを判断するには、「何が正確なのか?」を知っていなければいけない。
正確な入力(動作)ができるまで、入力のスピードを落とすことも重要だ。
ミスをしたらすぐに気づき、修正する。
間違いを繰り返し練習してしまったら、間違った神経回路が強化され、修正は困難だ。
ひとたび自転車に乗れるようになったら、再び乗れないようになるのは非常に難しい。

2. 常にスウィートスポットで

挑戦・練習は簡単すぎて退屈を感じるようではいけないし、難しすぎて不安を感じるようでもいけない。
「やればできるはず!」と自信を持って挑戦できるスウィートスポットでの挑戦を繰り返そう!

3. 長くても1〜2時間

ディープ・プラクティスは完全な集中を要求する。
どんな天才であれ、そんな極限の集中状態を維持できる時間はとても短い。
集中できなくなったら、すぐに中止すべきだ。

いかがだろうか?
ここまで「スキルの本質」「最速でスキルを身につけるためのディープ・プラクティスという方法」について駆け足で見てきた。
ディープ・プラクティスの途方も無い反復が、天才を定義する世界レベルのスキルを形作るということを腑に落としていただけただろうか?

もしあなたがこの「天才を育む仕組み」を十分に理解できたなら、あなたに残された問題は「自分にもできるだろうか?」というものだと思う。

ご覧いただいたように、ディープ・プラクティスのハードルは非常に高い。
一人で行うのは、ほとんど不可能に思えるだろう。
だから、世に出るほとんどすべての天才は、一流の指導者の指導のもとで排出される。

仮にあなたに人並み外れた熱意があったとしても、一流の指導者に教わるにはお金もかかるし、場所も限られる。
そもそも一流の指導者の数自体とても少ない。
やはり天才になれるのは、そんな恵まれた環境を手にできるごくわずかな幸運の持ち主だけで、凡人はあきらめるしかないのだろうか?

ここでようやく朗報をお伝えすることができる。
あきらめる必要はまったくない。
なぜなら、あなたも今すぐ、その場で、しかも無料で、その環境を手にすることができるからだ。
少なくとも、あなたが求めるスキルが「人並み外れた脳力」である限りは。
お察しの通り、その環境がデュアルNバックだ。

デュアルNバックは、「自動天才育成プログラム」である

自動で天才を生産するプログラム
冒頭で説明したように、デュアルNバックは、ワーキングメモリー(作業記憶)を鍛える脳トレだ。
課題に挑戦するたびにワーキングメモリーに関わるニューロン群が発火し(酷使され)、そのつながりは強化され、最適化されたニューロン群のつながりがスキルとして表現される。

僕が使っているデュアルNバックアプリのデフォルトの設定は、

  • 正答率75%未満でレベルダウン
  • 正答率75%以上90%未満で現状維持
  • 正答率90%以上でレベルアップ

で、僕はこの設定を一度もいじっていない。
なぜならこの設定こそが、デュアルNバックにある途方も無い価値の核となる設定だからだ。

どういうことか?
ディープ・プラクティスの条件を思い出してほしい。

1. とにかく正確であることが最重要!

あなたの解答に間違いがあれば、デュアルNバックが即座に指摘してくれる。
正答率によって、「自分がどれくらいミスをしたか?」がわかる。

逆に、「ほとんどミスをしていない」と確信できれば、レベルは上がる。
デュアルNバックでマグレ当たりを連発することは不可能だ。
「あなたが自分のミスに気づく仕組み」がデュアルNバックにはある。

2. 常にスウィートスポットで

デュアルNバックは、常にあなたのスウィートスポットとマッチした課題を提供してくれる。
あなたがミスをして正答率が75%未満になると、あなたのレベルは1つ下がる。
逆に正答率が90%を超えたら、あなたのレベルは1つ上がる。

レベルダウンは「今のあなたにとって少し難しすぎる」挑戦だったことを知らせ、レベルアップは「今のあなたにとって少し簡単すぎる」挑戦だったことを知らせる。
レベルダウンすれば挑戦の難易度が下がり、レベルアップすれば難易度が上がる。

このように、あなたが常にあなたのスウィートスポットで挑戦できるように、デュアルNバックが自動で調整してくれる。
(アプリによってはデフォルトの設定を無視して高いレベルに挑戦できるものもあるが、正答率75%以上を出せないようなレベルでの挑戦は時間の無駄だ)

3. 長くても1〜2時間

デュアルNバックの効果は、1日20回、約30分の挑戦を積み重ねることで得られる。
1時間も2時間もやる必要はない。
おそらく、それ以上の時間、集中し続けることは難しいということなのだろう。
集中を切らした状態では、ディープ・プラクティスは行えない。

「アメとムチ」で極限の集中状態を保証

嬉しいことに、デュアルNバックには、あなたを自然に集中させるメカニズムも備わっている。
デュアルNバックをするにあたって最も避けたいのがレベルダウンだ。
レベルダウンによる精神的ダメージは思いの外大きい。
逆に、レベルアップはこの上なく甘い蜜となる。

誰でもレベルダウンは避けたいから超集中するし、レベルアップしたいから超集中する。
デュアルNバックは、この「アメとムチ」の仕組みを巧みに利用することで、ディープ・プラクティスに必要な極限の集中状態を、あなたに無理なく自然に維持させる。

一流の指導者による一流の指導が詰まった無料の瓶

「まったく、この仕組みを瓶に詰めて売ることができたら、何百万ドルもの価値があるのに」

というのは、オーストラリアの音楽療法士であるゲーリー・マクファーソンが天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられるという書籍の中で漏らす言葉だ。

通常、一流の指導者による即時のフィードバックを必要とするディープ・プラクティスは、瓶に詰めて売ることはできない。

だけど、デュアルNバックというアプリには、その天才を育む科学的な仕組みが丸ごと詰まっている。
つまり、ゲーリー・マクファーソンがため息混じりに漏らした言葉が実現したのが、デュアルNバックというわけだ。

そして、デュアルNバックのアプリは何百万ドルもしない。
誰でも無料で利用することができるのだ。

デュアルNバックに1億円以上の価値がある理由まとめ

徐々に天才を解放していく子供
いかがだっただろうか?
僕が「デュアルNバックには1億円以上の価値がある!」と言った理由、なんとなくご理解いただけただろうか?

本来であれば、このデュアルNバックによる一流の指導によって、実際にどんな脳力が得られるのか?というところまで踏み込むべきところだったが、すでに当初の予定よりにかなり長くなってしまったので、それは次の機会にお話ししたいと思う。

「デュアルNバックには1億円以上の価値がある」と僕は本気で確信しているけど、デュアルNバックに1億円以上の価値を与えられるかどうかは、使う人次第だ。
当然そこにあるだけでは、デュアルNバックに1億円の価値はない。

毎日24時間 = 1,440分中の30分の使い道として、僕はもうデュアルNバック以上に価値のあるものを思いつけなくなった。
その証拠に、僕はこれまで、毎日30分 × 120日 = 60時間をデュアルNバックに費やした。

でも、ただ単に消費したわけじゃない。
僕が費やした60時間と労力(エネルギー)は、物理的に作業記憶に関わるニューロン群に変換されて、僕の脳に蓄積されている。
このニューロン群は、毎日30分のデュアルNバックを糧に成長し続ける僕の新しいスキルだ。

11BACKの挑戦回数・正答率 12BACKの挑戦回数・正答率

ご覧のように、今では11BACKの挑戦も120回を超え、12BACKの挑戦も40回を超えた。
これは4BACKで1ヶ月以上も苦戦していたときには、まったく想像すらできなかったことだ。
主観的なものに過ぎないが、脳力もかなり改善された。

でも、まだまだ満足しない。
ここが僕の限界じゃない。

同じプロセスで昇り続ければ、僕のスキルは際限なく磨かれていく。
これが「神経可塑性」「自動天才育成プログラム」によって保証された、デュアルNバックの真の価値だ。

スキルは脳の中に存在し、誰にも奪えない。
あなたが誰であろうと、あなたのニューロンやミエリンは気にしない。
彼らにとって重要なことは、「あなたが何をするか」
それだけだ。

あなたの中に眠る天才を解放するための、最速かつ最善の方法

今現在あなたに具体的に実現したい夢や達成したい目標があろうとなかろうと、デュアルNバックに挑戦する価値はある。
あなたがこれからインストールしたい知識やスキルが何であれ、ハードである脳を1日たった30分でアップグレードできるなら、しない手はないだろう。

コンピューターのように互換性を考慮に入れる必要もまったくない。
最新バージョンのあなたの脳で、あなたがインストールした新しい知識やスキルは、より大きな力を発揮する道を見つけるはずだ。

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